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ロリエ・ゴドローと、あの夜のことのFrengersのレビュー・感想・評価

3.6
 タイトルバックの映像と文字のフォントからして『セブン』期のフィンチャーみたいだなと思い、それぞれのエピソードによる光の演出、手元足元の反復、視線と長回しの妙で引き込まれた。特に最終話の病院での長回しは非常に驚いたと同時に『ゾディアック』の時間の進め方…つまりここでもフィンチャーを思い出した。映像的な面白さが終始あるので監督のファンだけでなく映画ファンにオススメできるなぁと思った。
 1991年の出来事を無かったことにしようとするも、誰もがその余波に対応できないというプロットを中心軸としながら、そこに「見る」という繋がりがある。だからこそ母との電話を見たミレイユは変化できたのだろう。
 監督には引退を撤回してほしいなぁと思う。
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