たむ

良くも、悪くも、だって母親のたむのレビュー・感想・評価

良くも、悪くも、だって母親(2023年製作のドラマ)
4.2
多くの題材を取り扱いながら、復讐劇であり、何より母と息子のドラマです。
検事が主人公なので、法廷劇かと思ったら、最初の1話丸々使って生まれる前を描き、2話以降はこちらの想像を超えてくる展開を見せます。
検事が事故で記憶を失い、7歳の子供の頃に戻ってしまうと、更に物語は怒涛の展開を見せていきます。
よくある検事や弁護士が復讐する韓国ドラマと思わせて、ひねりにひねっていく構成の見事さ。
特に10話で起こる大どんでん返しには、驚き、感動します。
主人公の出身地である村の人々の面白さもまた突出しています。
常にパックしていて素顔を出さない毒舌な主婦など、どうやって思いついたんだ?という素晴らしいキャラクターが多数出てきます。

また本作はタイトル通り母親がテーマになっています。
様々なタイプの母親が出てきますが、その愛情の表現もまた多様です。
その表現も変化していくドラマもまた見事で、複数のドラマが集約していく構成には涙なしには観られません。

韓国ドラマといえば、演技派がたくさんいますが、早くも賞レースでも注目です。
母親役のラ・ミランさんは今回も素晴らしい演技でしたし、息子役のイ・ドヒョンさんには驚かされっぱなしです。
一人で三役ぐらいこなしているかのような大熱演、あの複雑なキャラクターを演じきれるかで、作品の評価も変わる中、素晴らしい演技でした。
『賢い医師生活』のアン・ウンジンさんも素晴らしいです。

更にオマージュがところどころ入っており、『私の漂流日誌』ファンにはたまらない爆笑シーンもあります。
笑いも復讐劇も悲劇もひっくるめて素晴らしいドラマでしたね。
たむ

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