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プロポーズ大作戦のakのレビュー・感想・評価

プロポーズ大作戦(2007年製作のドラマ)
2.7
『コントが始まる』のマクベスと中浜姉妹、『俺の話は長い』の満達の食卓、今回は健とその仲間、と金子茂樹は五人での会話劇がすごい魅力的であるなと感じる。上記のどれをとってもドラマチックなことが起きるわけでなく、普通の日常なのだ。普通の光景がくだらなくあり、愛おしい。

上の三つの作品どれも当てはまると思うのだが、主人公は未来に向かって新しい一歩を踏み出す。『プロポーズ大作戦』では過去に未練が溢れてる健が見落としたものを回収していくのだが、自分の意思が変わらず未来は変わらない。後悔で一杯の健は未来を止めようと過去で何度も走るのだが、最終的には行動に移せない。その中で、礼のかけがえのなさと一種の過去に対する諦観から最後は一歩を踏み出していく。

五人の日常は眩しい"青春"という感じなのだがその思想に少し恐れを感じたりもした。五人の友情はかけがえのないものなのは間違いないがソクラテスや松重豊などをもう少し掘り下げることができたらどうなっていただろうか。後、明日やろうは馬鹿野郎なのは十分に理解できる。しかし、それができないから人は魅力的なのではないだろうか(健はそれができないから物語になったのだが)。

多田先生が運命はあると言っていたけれど、自由意思はないということで大丈夫?健が最初の方で多田先生を助けたという選択肢があったから、最後の選択があるわけでしょ。Don't kock Newyorkからの流れは奇跡ではなく、運命なんでしょ。
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