よーすけカサブランカス

1883のよーすけカサブランカスのレビュー・感想・評価

1883(2021年製作のドラマ)
4.3
一応主人公はダットン家なのだが、前日譚と言いつつそれほどイエローストーンとの繋がりはなく、テイラー・シェリダンはいわゆる「ユニバース化」によってその世界観を深めようとしているというよりは、アメリカ史を語り直すためにイエローストーンを使っているという気がする。
イエローストーンと同様大自然での牛追いや川越え、バッファロー狩りを見せ場に据えながら西への大移動。
序盤に亡くなってそれ以降名前も出なくなったクレア(とその娘)、そして妻のマーガレットを見てもそうなのだが、この旅は基本的に夫が家族を連れてのものなので、女たちは本当に西に理想郷があるのか疑ってるし乗り気ではない。ジェームズもいいお父さんぶりを見せてくれるが「妻には敵わない」とか言いながら意見は全く聞かない。そんななか最も自由な女こそが娘のエルサということになる。自由に恋をし、馬で駆ける。そして暴力と自然の力を目の当たりにする。
個人的には現代の画質、撮影技術で西武開拓史を観れるだけでもありがたいし、アメリカという土地と歴史に対するテイラー・シェリダンの語りが聞けるだけで堪能できた作品。

サム・エリオットはもうなんていうか、技術とかではなく、長年の西部劇の経験によって降りてきたものとあの歳にならないとたどり着けない境地で演技してる、という感じだった。