mao

だが、情熱はあるのmaoのレビュー・感想・評価

だが、情熱はある(2023年製作のドラマ)
5.0
オードリー若林正恭と南海キャンディーズ山里亮太の軌跡を描いたドラマ。メインはKing&Prince髙橋海人と、SixTONES森本慎太郎が熱演。

最終話でも出てきた、ふたりを題材にしたドラマの制作&キャスト決定報告があった回の「午前0時の森」リアタイしていたけど、ほんとうにあのまんまだったよ。海ちゃんも慎太郎もすごいよ。すごい。正直、慎太郎はまだ分かるけど、なんで海ちゃん?って信じられなかった。もう観たら衝撃。意味が分からないくらい若林さんだったよ、海ちゃん。


わたしはお笑いを愛している。

小学校高学年から深夜のお笑い番組を録画して何回も何回も観るような子どもだった。お笑いに心を助けられたことが何度もある。

そんなわたしのようなお笑いファン、そして芸人。そのほとんどが観たであろうドラマ。そして、芸人に対して「飯食って喋ってりゃ大金もらえる」と軽く考えていた人は、それを改めるであろうドラマ。

特にわたしは山ちゃんが大好きなので、毎週、ときどき泣きそうになりながら画面のその向こうを見つめていた。

数ヶ月前、ある芸人の口外禁止トークライブにゲストとして山ちゃんが呼ばれた回を観に行ったことがあって、売れる前のことや売れたあとのことをいろいろ聞かせていただいたけれど、ああ、あのとき言っていたのはこの人のことだったのか、とか、すごくじーんとしてしまって。

山ちゃんは自分は天才じゃないと言う、でも天才なんだよ。努力の天才だし、ほかの芸人を妬むということは、それだけ他人の光るものを見つけられる、認められるということ。その強さを、そして自分も尊重すべき相方も追い込み続けてしまうほどの熱を、才能と呼ばずして何と呼ぶのか。

そんな彼の膨大な悔しさが、苦しさが、そしてすこしの希望が、丁寧に丁寧に描かれていてほんとうによかった。

若林さんも。谷ショーさんに「みんな死んじゃえって顔してる」と言われたシーンが使われてびっくりしたって、何かの番組で話していた。谷ショーさん=前田健さんだと思うのだけど、前田健さんは藤井隆さんのことが大好きだったんだって。

山ちゃんの同期で頭ひとつ飛び抜けていたヘッドリミット=キングコングを、若手のホープであるパンプキンポテトフライが演じているのも地味に良かったし、春日さん役の戸塚純貴も超〜〜〜上手だったよね。


このドラマを作ろうと言い出した人は、きっとふたりのことが、そしてお笑いが大大大好きなんだろうな。

ああ、ほんとうに良いものを観たな、面白かったな。


「またジャニーズかよ」をぶち壊した主演ふたりに改めて、心から拍手。あなたたちはすごい。

特にグループでいろいろあった海ちゃんはつらい時期に撮影をしていただろうから、余計大事に大事に見守ったよ。頑張ったね、プロだね。

これからも彼らの活躍を楽しみにしていたい。

愛と感謝と期待をこめて、星5。






最後に、これは独り言のようなものなので読まなくて構わないが、わたしには芸人をやっている親友がいる。忙しくしている彼はいつも、いつも悩んでいる。お金があっても幸せじゃないと言う。

かつての山ちゃんや若林さんが悩み、もがき、たまに挫けそうになってもひたむきに頑張り続ける姿を最後まで観て、一体どう思っただろうか。共感して終わりじゃなく、絶対にあきらめないあの姿から、どうか何かを受け取っていてほしい。

「ねえ、いま幸せ?」

彼にそう問い続ける人でいたい。
mao

mao