カズミ

だが、情熱はあるのカズミのネタバレレビュー・内容・結末

だが、情熱はある(2023年製作のドラマ)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

今期ドラマが始まったときは全くノーマークだったくせに、YouTubeにたまたま上がってきた完コピ漫才を見て感動し、結果まさかの一気見をしてしまった。

シナリオの切り替えが秀逸で、本気でもがいている人間の面白みが全編通して味わえる。
社会から見たわかりやすい成功を狙うより、徹底して今ある等身大の自分を生き、活かすことが想像もしない幸せに繋がるという強いメッセージ性を感じるのに、それを個が見えないほど徹底した役作りをされたキャスト陣が演じられている矛盾。
風体は一切似ていないはずなのに、一話開始直後から何故かご本人に見えてきて、回を重ねるごとに緩やかに歳をとっていく様も感じ取れ、特に髙橋海人さんの演技に脱帽してしまった。
ラジオのシーンなどを聞いていると、あまりの違和感のなさにドラマであることを忘れる瞬間がある。その他のシーンもすべてモノマネという域を越え、ただただ当人の心の叫びが漏れ聞こえるようで、そのたび心が苦しくなった。

サクセスストーリーでも無ければ、ほとんどの人において全く参考にはならない、とOPでは語られるが、個人的には予想外に胸に響くものがあり、感動もした。
学生時代に見ていたテレビの懐かしさも相まって、先をどんどん知りたくなる、笑い溢れる楽しいヒューマンドラマでした。
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