アリ・ウォンのキレッキレの顔芸見れるかなと軽い気持ちで見始めたら、想像以上に人生の芯食ったストーリーで呆然とした。見てよかったのか、悪かったのか分からない。自分と同じ不安や焦りを抱いている人間は海の向こうにもいるのだということだけが分かった。だが解決はしてもらえなかった。
その場その場で、最適だと思う選択をしているはずなのに、心に沈殿して漏れ出しそうなこの不安はなんだろう。
『幸せ』は環境ではなく気持ちの問題なので、周りから見れば不幸でも、本人が幸せだと感じていればそれは幸福だ。
逆に言えば、どんなに恵まれていても、当人が幸せだと感じられなければ、それは永遠に遠のいていく。
「あの大学に入りさえすれば…」
「あの会社に就職できさえすれば…」
「恋人さえいれば…」
「結婚さえできれば…」
「子どもさえいれば…」
きっとわたしは幸せになれる。はず？
今作のエイミーとダニーは、これさえできればあれさえ手に入ればと、幸せの形を思い描くが、結局どう転んでも心に残るのは不満だけ。一体どこで選択を間違えたのか、ボタンの掛け違えはどこまで遡れば正せるのか。
目の前にある幸せを大切に。
それができる人生なら、今作を見るのは1話でやめていただろう。
