あきら

BEEF/ビーフのあきらのネタバレレビュー・内容・結末

BEEF/ビーフ(2023年製作のドラマ)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

Everything Everywhere All at Onceと同じ制作会社だから見てみたけど良かった
エンディングの挿入歌とタイトル画面のアートも良い
欠陥のある人間しか出てこないからこそリアルだけど、展開にはドラマならではのところもあって最後まで飽きなかった
エブエブ然り、下ネタとかダークジョークが盛り込まれつつも、メッセージはすごく心に響く

エイミーとダニーは似たもの同士で、お互い自分が嫌いだから2人は憎みあってた
だから2人の会話はイコール自己との対話
お互いがお互いの痛いところを突きあうから余計にムカつくんだよね

自分がやらかした全てのことに向き合うことなく逃げてきたことで最悪の状況になって、周りに最悪な自分以外は何も無い状態になったから自分を仕方なく受け入れてあげるんじゃなくて、その状況から脱したとしてもなお、自分を隠して否定するんじゃなく、醜い自分から目を逸らさずにケアしてあげること
それは自己を正当化するようなことかもしれないけど、結局それをしてあげられるのは自分しかいないから
時間が経って過去になっても、自分の中で見ないふりをしていただけなら、結局それが過去として消えることはない
Everything fades,nothing lasts ではない

無償の愛なんて存在しないのに親の愛情に飢えてきた2人はその幻想に囚われて、自分がどれだけ最低かなんて心の底からわかっていても、そんな自分を誰かに受け入れて欲しいという願いを捨てられない
だからいつも矛盾してるし気持ち悪いしみっともない
それでもそれが自分で、もし自分に無償の愛を与えられる人間がいるとしたら、それは自分以外にない

ダニーがエイミーに言った、You are sick. You are disease.も、You should stay away from your family.も結局自分に対しての言葉でもあって、だからこそポールにYou gotta get away from me.って言うことになったんだよね
2人の遭難時の対話のシーンとラストシーンに加えて、ここが1番好きだなあ
あきら

あきら