Aqualand

ハヤブサ消防団のAqualandのネタバレレビュー・内容・結末

ハヤブサ消防団(2023年製作のドラマ)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

自分が絶対宗教に入らないと言えるのか…
このストーリーは内容も素晴らしいけれど、さらに使ってる音楽が宗教への不気味さを際立たせていて、ドラマ化されてさらに良い作品になっている。

特に、8話の最後の場面は何度見ても涙がでる。あやちゃんを含めたアビゲイル信者が住職のところへ真顔で向かっている姿をみて、その中に自分がこの先もいないといえるのだろうか…と考えた。

そして太郎くんが蝶と共に、救世主のように現れ、みんなが波のように道を開ける。
アビゲイル信者やそうでない人、すべての人にとって、本当の救世主はだれなのか。
正義とはなんなのか、虐待やいじめや辛いことがあった時に救ってくれる人がいたら、自分の存在価値を認めてくれる人がいたら、心が弱いから宗教に入ったんだろう!と信者たちを責める言葉は言えないかもしれない。

自分を否定され自信をなくしている状態でない太郎くんはたしかに正論を言う。
でもそんな太郎くんがあやちゃんに”なぜそんな宗教に…”と言うのは、あやちゃんのような立場になり、救ってくれた友人からの紹介でアビゲイルを知り、そこで自分が望んでいた仕事で評価され、自分の存在価値を得られた体験をしていないから言えるのかもしれない。

みんながみんなこのパターンで宗教に入るわけではないし、あやちゃんと同じ体験をしたとしても宗教に入らずにいられる人もいるのだろうけど、自分が人生で1番辛かった時に救ってくれた存在は、客観的に見たら怪しい宗教で悪なのかもしれないが、果たして救われた人にとっては悪なのか…?

もちろん、弱い心の状態の人を自分の仲間として取り込む作戦や人殺しをすることは良いとは言えないが。

平和な田舎の消防団チームの話かと思いきや、題材が重すぎて色々考えさせられる。