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初恋、ざらりのtjrのレビュー・感想・評価

初恋、ざらり(2023年製作のドラマ)
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軽度知的障害・自閉症スペクトラムを持つがぱっと見は分からない女性と、親から「普通がいちばん」と言われ続けつまらない大人になったと思っている男性の恋。

自分が必要とされていることが嬉しいから、体を求められたら応えてしまう。そしてそれが嫌だということにも気づけていないというハードなオープニング。
しかし、主演2人があまりにも純粋で、キュンとしてしまうシーンもある。

知的障害・自閉症にも様々なパターンがあることを踏まえ、一つの個性としてパーソナルに描くことで、大局的ゆえに大味になっていないのが良い。
小野花梨は流石の演技力で、本当に障害があるように見えるからこそ、ぶつかる壁の高さに見ているこちらも愕然としてしまう。
風間俊介もハマり役で、和やかで温かな微笑みは当て書きかと思うほど。

OP曲:a子「あたしの全部を愛せない」、ED曲:ヒグチアイ「恋の色」ともに歌詞・曲調ともにドンピシャすぎる。
とくにエンディング曲は「普通に憧れる」ことを「普通」という言葉を使わずに表現していていつも泣きそうになった。

全てが収束する最終回、ああこういう終わり方か、と思ってからの踏み込みの回数と深さが素晴らしく、演出面でも感動してしまった。
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