煙草と甘いコーヒー

デップvsハードの煙草と甘いコーヒーのレビュー・感想・評価

デップvsハード(2023年製作のドラマ)
2.5
現代版公開処刑?!

以前、ゴシップ好きの人から、YouTubeの裁判の動画を勧められて半分くらいまで見たことがあったものを、腕のいい製作陣たちが長編ドキュメンタリー風にまとめあげた力作、というのが見ながら思った印象。

ドキュメンタリー

というより、ドキュメンタリー風。

果たして、監督はキレイにまとめ上げただけで満足だったんだろうか?

ちまたに溢れる玉石混交の情報群を品定めし、ものの見事に長編映像にまとめあげたその手腕にはやはり感服するが、今回の一連の騒動を受けて浮かび上がった、陪審員裁判の欠陥や、SNSが与える裁判への影響を減らすための取り組みや、SNSがこれほど普及した現代に求められる司法制度とか、裁判では黙殺された真事実とか、その他もっと高尚で深く切り込む問題提起とか、、、兎にも角にもその先へ行こうとしていなかったように思える。

その結果が、何かしらの問題点を探っていくためのインタビューや専門家の意見などがまったく無いことだ。インタビューといえば、裁判所前に詰めかけた人たちや、街を行き交う一般人にちょっとマイクを向けただけに終わっている。

なんで?

結局は、大袈裟に悲劇の人を演じたアンバーが迂闊で、大事になっていって後には引き下がれなくなってしまい、嘘を押し通そうとしたが、失敗しちゃいました、残念。ってだけじゃん、コイツら! ということが露呈してしまい、さて、どう作品として着地させるかを考えた結果の、傍観スタイル、だったということ、かな?

とすると、至るところでインサートされる、不特定多数の視聴者像(は、だいぶ余計な感じはしたが)は、踊る阿呆を見る阿呆(=この映画を見ちゃってるアンタのことだよ!)という、見たって何も得るものはないけど、わかる、やっぱ見ちゃうよね、こういうのって(苦笑)

以上!

こういう作品にしかできませんでした!

ということなのかもしれない。