ねんねこさっしゃれ

コタツがない家のねんねこさっしゃれのレビュー・感想・評価

コタツがない家(2023年製作のドラマ)
3.5
ハマってた『俺の話は長い』のチームがつくった話、という前宣伝で視聴決定。

『俺の〜』は主人公のダメさ、口答えのレパートリー、サザエさんのカツオが大人になってニートしてる感じが新鮮で、また姉との喧嘩など周りが振り回される様子を楽しませてもらった。そしてその姉役だった小池栄子が主人公だという。期待は高まった。

観てみると少し様子が違った。最大の違いは主人公が周りを振り回すのではなく、周囲(父親、夫、息子)のダメ男三人衆に振り回される主人公という立ち位置の違いにあると思う。

視聴者というのはやはり主人公に多少なりとも感情移入して観る傾向にあるので、前者は「やれやれー!やっちまえー!」と主人公にガヤや声援を入れて他人事として観ていた。もしくは鬱憤を晴らすように自分を重ねて観ていた。

今作は逆で振り回される立場に感情移入しているので、ちょっと疲れてしまう。最初の数回は観るとしんどかったような気もする。

ただ、回数を重ねるごとにそれぞれのキャラクターが分かってきて可愛げのあるところも見つけたし、また彼らの行動に期待しなくなってきて観る側も余裕が出てきた。

こんなダメダメな吉岡秀隆は初めて観たが、ダメ男達の中心にいて、影の主人公だった。最終回、彼の作品を見た主人公万里江が涙するとともにこちらも熱くなった。

傑作ではないかもしれないが、2023年末のドラマは、といったらこれを思い出すと思う。