「コンキアート・コムシリ」と「コンギアット・コムシリ」という翻訳の罠であるお名前の表記ブレのせいでずっと見逃していたらしい我らが神様コムシリ御大のネトフリドラマシリーズ。やっと観た。

実兄に会いにバンコクへ来たワンチャイ。兄からの「大変な事になった」というメッセージの後、待ち合わせ目前で兄の乗った車が横転し、兄は死亡。
現場からは車の同乗者が逃亡し、不穏が立ち込める中、ワンチャイは兄が勤めていたバンコクは中華街方面のボランティアで賄われる救助隊へ潜入し事件の真相を暴こうとする。


まず、つい最近タイの旅行記を見て、ボランティアの救助隊の存在について学んだばかりだった私は胸が踊った訳ですよ。この進◉ゼミでやったところだ！と。
なので、命懸けボランティアて…っつう設定についての違和感は無し。
日本の感覚で見たらナイナイ話ですが、タイではあるある設定。仏教国でもあり日常的に徳を積んでいる彼らにとって例え表面だけであっても“ボランティア”は、あるある話でしょう。

バンコクの中華街方面、寺院・警察・救助隊・呪物屋・武器屋が軒を連ねている字面だけでも非常に治安の悪い地域でボランティアによって運営される救助隊が実在する事を知っていたから、これって凄く嫌なトライアングルが出来るてしまうのでは…？と感じた不安はドラマ内で的中。
権力と裏社会と通じる救助隊内部、不正と戦う主人公と記者達の、かなり社会派のノワールものでした。やっぱりあったか〜この題材！
やはりコムシリ監督はこういった題材を作らせると天才。

ただし全6話のep5にして終わる気配が無さ過ぎて、案の定ep6でスパートかけて一気に畳んだ印象。そんな簡単に終わってたまるかよ！！！というオチに対する気に食わなさはちょっとある。
美しく完結させる意味では悪くないけれど、微妙に散らかったままなので、これはS2への布石ということで楽しみにしていましょう。

しかしマジでヤバジジイが大量に出てくる！
ヤバイジジイ、もっとヤバイジジイ、多分ヤバイジジイ、絶対ヤバイジジイ、と、本当に最悪ジジイのバイキングなんですよね。ちょい悪のメンバーの事など覚えていられないほどヤバイジジイ共のクセが強い！
特にハードコア、と呼ばれるロン毛ジジイに関してはファッションも素晴らしくてお洒落で隙がなくて神出鬼没でめっちゃ怖いしめっちゃカワイイ。最悪キュート糞ジジイを拝めるだけでもかなり観る価値はあります。

ソンクラーン時期のタイ旅行はやめておこう、と思える傑作でした。本当にコムシリ御大は外れない。

なかなかおもろい