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いちばんすきな花のKのレビュー・感想・評価

いちばんすきな花(2023年製作のドラマ)
3.5
社会の「こうあるべき」みたいなことに、必死に馴染もうとしたまま、どこかに抱えているちょっとした違和感を吐き出すことなく1人で長く生きてきてしまった大人が、カップル、とか結婚、とかそういう世間が決めた枠組みを飛び越えた形でありのままを受け入れてくれる仲間と出会い、変わろう、じゃなくて、そんなありのままの自分を愛せるようになる姿を垣間見るドラマ。

ただ、このドラマでの”社会全体はこうだ”の定義がまず非常に偏りすぎている気がする。ので、たまに、”だからこの世は生きづらい”みたいなメッセージがtoo muchに聞こえるけど、回が進むごとにそこをスルーできるようになってきた。笑

そして、最初の方、特に個別ストーリーは、それぞれが過去の自分、過去から繋がる今の自分を冷静に分析できているのに、なぜ成長へのアクションが取れないでうじうじしてるんだろう、って目で見ていたし、全員が悲劇のヒロイン・ヒーローぶって鬱陶しいなと思ったり、ちょいちょいセリフがtoo muchなのとあまりに心情を吐露しすぎてて、いや、そのうじってる間にアクションを起こそうよ、って思わざるを得なくて著中リタイアしそうにたったけど、この作品のテーマは、「ありのままの自分を受けいれる」ってことなんだな。無駄に気を使いすぎる4人が、4人の間だけではありのままというかわがまま言えるようになっていくのがいいね。

別に、世間が変わらないなら、自分の違和感も一生変わらないけど、そこに誰か仲間がいたら、これまで不完全だと感じてきた自分のことも愛せるようになる。そんな優しさがこの世にはある。

ストーリーが進むごとに、確かに、日常でちょっとした孤独を感じるタイミングだったり、そういったときに、こういう4人みたいな友達いたらいいな、って感じで見れるようになってきた。

そして、やっぱり彼らの根底にある優しさに、時たまほっこりしたりもするし、周りの人に優しくしたいなって思える。
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