すみ

あたりのキッチン!のすみのレビュー・感想・評価

あたりのキッチン!(2023年製作のドラマ)
5.0
今期1番大好きなドラマが終わってしまった......。話題にならないのが不思議なくらい素敵なドラマだった。
あまりに好きすぎて、フィルマに登録して、初めて話ごとにレビュー書いた。笑

絶対味覚を持ちながらもコミュニケーションが苦手な大学生・清美が、阿吽という定食屋さんでのバイトや出会いをきっかけに、自分を見つめ直していく物語。

・清美の絶対味覚の能力?が過度に使われずに、人と人のつながりに重視したストーリー展開がいいなと思った。(能力が発揮されるのはメンチカツと就職の話くらい?)入れようと思えば絶対味覚をきっかけにみんなをあっと言わせたり、そういうストーリーも作れたはずだけど、チープになってたと思う。
・全話を通して嫌な人間がほとんど出てこないので気持ちよく見ることができる。(嫌なやつは最後の自転車野郎くらい🚲)
・物語自体はシンプルなんだけど、その中で1話ごとのお料理とそのストーリーが毎回暖かくて、心に留めておきたい言葉がたくさんあって、大好きだった。
・話の展開が強引じゃなくて、人物の気持ちも丁寧に描かれていて、全話通じてえ?って感じた言動がほぼなかった。こういう気持ちならこういう行動をするよね、こうなっちゃうよね、っていうリアルさと、最終的にはハッピーエンドになるフィクションっぽさの塩梅が個人的にちょうどよかった。
・渡部篤郎のご主人が本当に魅力的だった。うんと年下の清美に対してもずっと敬語で、甘やかしではなく優しくて、でもちゃんと厳しくて。
・窪塚愛琉くんの清正もいい味出してたな。ちょっと反抗期だけど根は素直でいい子っていうのがハマってた。生意気そうなのにどことなくあどけない顔立ちがいい。
・なんといっても桜田ひよりちゃん。演技が本当に上手だなあ。可愛くてスタイルもいいのに、メガネと服装でほんとに地味な女の子に見えるのがすごい。気弱だけど芯が強い清美にぴったりだった。

最初はただ自分を変えたいと思ってはじめたアルバイト。清美が阿吽でやりがいを感じで、自分のやりたいことを見つけて、自分の意思で自分がどうなりたいかを決めて、選択していく。1話から比べると本当に強くなった。でも、清美は「成長をした」というよりも、阿吽という場所で、「もともと本人が持っていた素敵なところが見えるようになった」というほうがしっくりくる。
コミュニケーションが苦手な清美は自分の気持ちを伝えられる場所がなくて、阿吽という場所でそれができるようになった。だから、清美が持ち合わせていた考えや聡さがしっかりと見えてくるようになった。というか。

食べること自体が苦手な桜だったり、ちょっと自分勝手だけど憎めない兼原だったり、登場人物みんなに本当にいそうなリアルさがあったのもよかったなあ。

口下手な清美は料理を自分のコミュニケーションの一つにしていくわけだけど、料理って本当に愛情表現の一つだなあと。
美味しい食事を誰かが作ってくれること、自分が作った食事を喜んで食べてもらえること、どちらも当たり前ではない。食事という人が決して避けられない行為だからこそ、人と人は深く心も繋がれる。
大曽根での修行や、阿吽に戻ってきてお店を繁盛させるところがみたい。真面目にシーズン2希望。
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