KuNork

東京裁判のKuNorkのネタバレレビュー・内容・結末

東京裁判(2016年製作のドラマ)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

裁判当時は判決に賛否両論あっただろう。
人が戦争を裁けるのか。
勝戦国とはいえ、日本に直接苦渋を飲まされて来た国々から(も)派遣されて来た11人の判事たち。
今、東京裁判が見直されている過程があるという。

当時は戦後直ぐの事で気持ち収まらない国々が、政治的にも個人的にも、思う事それぞれの中で、一つの結論を出した。

しかし、この裁判判決へ導いた多数判決の様は、軍上層部の戦争に向かった判断の様と何が違うんだろうかと思うところもあった。

2年半の時を以って、議論してきた判事たちの思いの丈は、果たして全員の信じる法に則って進んだのだろうか。
誘導は…なかったのだろうか。

それぞれの判事たちのその後も物語る。

戦犯として挙げられた個人のその後を決定する裁判は、法によって正義を成す事に終始したのだろうか。
有限ではない時間の中で、結論づけなければならない判事たちの葛藤もわかる気がする。
憲章も事後法も、勉強になった。

そういった部分もまた、今なお議論されているのではないかと思う。

ただ凡人な私としては、判決に対して異論があるわけでないが賛成もなく、この映像を史実ではあるが、物語として観ただけに過ぎない。

その時の日本の指導者達も人であり家族があり、国での役割があった。
裁く判事たちも人であり、家族がいて、国のことを思う心があった。

戦後の負戦国の在り様と、人が人を裁くということの難しさを受け止め、その苦しさと様々な思いがあった事を知っただけだが、観てよかった。

日本では、東京裁判といえばパル判事…となりそうなところ、レーリンク判事という人物を知れたのは良かった。
これは共同制作なのが功を奏している気がする。

イェルサレムであったアイヒマンの裁判、ハンナ・アーレントが説いた悪の凡庸さを描いた「スペシャリスト」とは、全く違う視点での「東京裁判」。

ニュールンベルグ裁判は、まだ観ていないので、これから観よう。
竹山道雄のビルマの竪琴は子どもにも読んで欲しいなと思った。

全く違う視点では…スティーヴン・マクハティを見てジュマンジ!って思った事ww
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