ファウスト池崎

不適切にもほどがある!のファウスト池崎のレビュー・感想・評価

不適切にもほどがある!(2024年製作のドラマ)
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ギャグパートのディティールの部分は一生好きな温度感の宮藤官九郎だったけど、本流の部分がずっとよくわかんなかった。「地獄の小川」の倫理観と受容幅もよくわかんねえし。よくわからない謎バランス感覚だったから令和を受け入れて1クール生活できたんですかね?

テーマがなんか、なんか微妙にズレてる気がする。最終回も寛容と大目に見るって違うくないですか? どちらかと言うと寛容に至る迄の理解しようとする姿勢が重要なのでは? キヨシはわかるよな? 佐高君と友達になって別れを告げれたキヨシはわかるもんな? まああの2人はもしかしたらお得意の劇狭ホモソーシャルコミュニケーションが良い方向に働いていただけかもしれないけど。ていうかなんかあの歌で言う「寛容」って「俺がするんだからお前もしろよ」って意味に聞こえたんだよな……とまでぼんやり考えて、ふと、自分はターゲットの視聴層ではなかったのかもしれないと思った。だって娘だと思って接して欲しいと思った事なんて一度もないし、なんなら二重に舐めてんのかと思ってしまうけれど、「息子だと思う」って言われてうれしく思った事がお有りなのかな。対等な仕事相手の立場には一生立たせる気、ある? ただ生活をして、仕事をしていく中で「若い」「女性」にセクハラパワハラモラハラその他をしないのって「娘だと思う」レイヤーを挟まないと出来ないような、そんなに難しい事なんですかね? 舐めやがって〜〜〜。その割に所謂「女の敵は女」の湿度感は上手くて謎だし、対立構造にした結果の作中でフォローされたようには思えなかったのでよくわからない。
過去/未来の肉親に邂逅する枝葉パートはいつも通り上手くいっているっぽかったので、余計本筋のテーマが解決した風だけで毎話進むのが普通になんか、もう限界なのかなぁと思ってしまって勝手に嫌だった。『季節のない街』とか再演版『もうがまんできない』は大丈夫だったのになあ。
全然関係ないですけど4月からドラマ24枠でも季節のない街が見れるのは嬉しすぎる。
ていうか宮藤官九郎、小泉今日子と尾美としのりと大江千里の事が好きすぎるって。