このレビューはネタバレを含みます
山西竜矢脚本回の安定感、適切な正しさ、教科書的でありながら不自然でない言葉選びの素晴らしさ。あなたの身体はあなただけのもの。同意のない性的行為は全て性暴力。傷つけられてる人が直接戦わなきゃいけないわけじゃない。
映像の美しさも素晴らしかったな。個人的には、無言の彼女たちを無言のまま、ナレーションも説明的な回想や映像も入れずにただ映す演出も好きだった。しっかり数秒間映される彼女たちの無言の表情から、容易く言葉にはできない、痛みや迷いや複雑に入り組んだ感情に思いを巡らせることができた。こういう言語のない余白が個人的にとても好きだったし、このドラマが鑑賞者にとって単なる受動的なフィクションに留まらずに、常に何かしらの表明や訴えを行おうとする働きへの一助となっていたと思う。きちんと受け取らねば、という気持ちにさせられた。
由希が、髪の毛綺麗だね、って言われて泣きだしちゃうシーンと、その後にみんなでくっついてジョーズを観ているシーンが、あったかくて優しくて、まごうことなき愛情のシーンで、本当に好き。由希の、凛とした責任感と強さ、懐の深い優しさと思慮深さはとても美しいし、4人の軸になっているのだろうけど、その由希の弱ったところもちゃんと描いてくれてよかった。スーパーウーマンは誰もいなくて、あくまでみんなで補い合って助け合って支え合っているのが、とてもよかった。
