あちぴろ

もうすぐ死にますのあちぴろのレビュー・感想・評価

もうすぐ死にます(2023年製作のドラマ)
4.9
ドラマの制作が決まった時から楽しみで仕方なかった本作。

有名大学在学中の大手企業の最終面接直前に目の前で人が死んだことをきっかけに、人生が狂ってしまい7年間フリーターをすることになったチェ・イジェ(ソ・イングク)。
恋人のジス(コ・ユンジョン:「還魂2」、「ムービング」など)とも別れ、人生に嫌気が差したイジェは飛び降り自殺をはかる。
目が覚めると自らを「死」(パク・ソダム)と呼ぶ女に死を軽んじた罰として12人の人生の終わりを体験させられることになる。。。


「私たちのブルース」や「ムービング」など豪華俳優陣のドラマはここのところ多かったんだが、本作は桁違い。
ソ・イングク、パク・ソダムの主演に加え、毎回キャストが変わるが、どれも主役級。
・チェ・シウォン(「ブラッドハウンド」、「恋愛なんていらない」
・キム・ジフン(「ペーパーハウス:コリア」、「その恋、断固お断りします」)
・チャン・スンジョ(「スノードロップ」、「ボーイフレンド」)
・ソンフン(「完璧な結婚のお相手(未見))
・イ・ジェウク(「還魂」)
・コ・ユンジョン
・オ・ジョンセ(「シスターズ」、「ストーブリーグ」)
・イ・ドヒョン(「Sweethome」、「グローリー」)
に加え、脇役で
・ユ・インス(「還魂」、「悪霊カウンターズ2」、「今、私たちの学校は」)
・キム・ソンチョル(「その年、私たちは」、「刑務所のルールブック」)
・キム・ミギョン(「彼女の私生活」、「ヒーラー」、)など。
まだ4話の前半だと言うのにこのキャスト陣。
この後、後半は2024/1/5〜とのこと。
まだキム・ジェウクなどもキャストに名前が上がっている。
すごい。

ところが、このドラマ、キャストの豪華さだけではなく、ストーリーが秀逸。
うまい具合に色んな人物の点が線になる。
アクションも多彩でチャン・スンジョのバイクに乗ったカーチェイスとアクション、イ・ジェウクのアクションも見応えがある。
いやぁ、面白い。
今の所5.0満点つけてもいいんじゃないかと思うほどのめり込んでしまう。
続きは後半の4話…








【以下、ネタバレあります】









【2024/1/6】
いよいよ昨日、残り4話(5〜8話)が配信。
キム・ジェウクの15人殺害したサイコ画家から始まり、オ・ジョンセの刑事、キム・ウォネ(カンナムスンなど)のホームレス、7年前のキッカケとなった車にはねられて亡くなったおじさん(役者わからず笑)、そして最後のイジェの母親キム・ミギョン。
ここまで11人の転生を繰り返し最後の一人に自分の母親という辛さ。
自殺する際には残された人の悲しみを1mmも感じていなかった主人公イジェ。
母親に転生した事で、どれほどの悲しみが襲っていたのかを身をもって味わうことになる。

オ・ジョンセの際に、若手の刑事の身代わりとなって死んでしまうんだが、果たしてそれが正しかったのか。オ・ジョンセの代わりに転生しているものの、実際のオ・ジョンセの人生を勝手に終わらせてしまったというのも事実。「死」から「お前はいったい誰なのか?」と言う問いかけにはたと観ているこちらも疑問符がつく。身代わりになるべきと思っていたものの、それが本当に正しい事だったのかは謎が残る。

と、キャストにばかり目がいきがちではあるが、脚本も素晴らしい。
点が線になるのもそうだが、「死」について改めてじっくりと考えさせられる。

ラストの展開、過去の記憶を残して再度あの屋上に立ったんだと思うけど、記憶が残ってなければまた同じことを繰り返すだけなんだろうと。
ただし、電話に気付き出たと言うことはやり直して行くんだろう。
どの役者も本当に演技が同一人物イジェに見える不思議。
役者の演技力もすごかった。


誰かにかなりオススメしたいドラマでした。


(2023/12/16、2024/1/6)
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