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春になったらのymのネタバレレビュー・内容・結末

春になったら(2024年製作のドラマ)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

1話目から涙でした。
5年前の我が家と重ねてしまったから。

脚本や設定が微妙。。という他の方の感想もありましたが、命の始まりと終わりの対比を表すような巧いキャラクター設定や売れないお笑い芸人さんと婚約…というのは確かになかなか感情移入しにくい設定かもしれませんが…

我が家も実際に、元気でピンピンしてた父が「3ヶ月もてばいいだろう」と末期のガン宣告を受けた5年前の記憶がいろいろと思い出され、蓋をしていた感情の扉を開かれてしまったようで涙涙でした。

(すい臓や肝臓は沈黙の臓器というように、本当に気づいた時には手の施しようがない、といった感じです。父は胆管がん、他にも転移してました。)

私の父も憲武さん演じるお父さんと同じく、
「病院で最期を迎えるのは嫌だ。」と、治療ではなく痛みを抑える対処療法のみを望みました。
母がその選択に納得していないなら父を説得しようと試みたかもしれませんが、両親が話し合って決めた決断に娘の私が反対する気持ちは起こりませんでした。


時折棒読みに感じる憲武さんですが、
治療をしてと泣きながら訴える奈緒さんに対して決して首を縦にふらない表情の演技は、私の父も同じ気持ちだったのだろうと当時の気持ちを思い出し涙が止まりませんでした。

奈緒さんの演技力はさすがです。

父は結局、余命宣告から11ヶ月も生きました。亡くなる2ヶ月前まで自分の好きな仕事をし、最後ついに家では看れないほど悪化して入院してからは10日も経たないうちに息を引き取りました。

家族としては「もっと〜してあげれたのに」という後悔はいつまでも残りますが、勤め先の社長さんの配慮で可能な限り父の希望通り働かせてもらえたり、孫とお出掛けした思い出も作れたり、最後は母と2人で過ごせたり…
積極的な治療を選択してた場合の未来は分かりませんが、自分の人生の最期は、家族のためではなく当人の気持ちを尊重すべきだと思います。自分の命ですから。

これから3ヶ月間、どのように話が進んでいくのか。

濱田岳さんのキャスティングも相まって楽しみです。

時折コメディも含まれていて楽しみ。

きっと観ながら、父との最期の11ヶ月を思い出しながら涙しそうな予感。
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