ルーク大佐

ブラザーズ・サンのルーク大佐のレビュー・感想・評価

ブラザーズ・サン(2024年製作のドラマ)
3.9
韓国系アメリカ人が主要キャラのネトフリドラマ『BEEF/ビーフ』と比べると、社会論や宗教観、人生観などの掘り下げはやや浅い。BEEFのほうが移民アジア人の本音をえぐっていた。

本作は台湾系マフィア一家のルールや宿命のありように迫ったアクションコメディ―だ。台湾人社会特有の家族観が見えてくる。

チャイナの上海や福建省あたりのマフィア、またはシンガポールやマレーシアあたりの華僑マフィアではなく、台湾人をメインキャラに選んだことに新奇さや政治的意図も感じた。主役ミッシェル・ヨーはチャイナ系マレーシア人の出自を持つのだから、あえて台湾を選んだのだろう。

ストーリーはさほど複雑ではない。
殺し屋で兄役チャールズのキャラがよかった。喜怒哀楽の演技もクセがなかった。アクションシーンは香港カンフー映画のようなスピーディーなノリだ。

マフィアボスの妻役ミッシェル・ヨーは『エブエブ』なみにハードなカンフーアクションを繰り広げてくれるのかと思いきや、封印したままだった。これはアカデミー賞女優になったから肉弾戦を控えたのかな。ちょっと痩せすぎでお疲れのように見えたけど、、

HBO MaxとWOWWOWがコラボで制作した良作『TOKYO VICE』をはじめ、アジア理解とアジア地域のビジネスマーケティングも兼ね、しばらくはアジア系アメリカ人をメインキャラに据えたネトフリ作品は制作されるのだろうか。

本作はシーズン2をにらんだ終わり方になっているし、続編のリリースも期待できる。4.0台にはちょっと届かない感じかなぁ。
ルーク大佐

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