2月の渡韓時に見たミュージカル「ウェルテル」で、チョン・ミドの天使現るみたいな存在感に圧倒されたので、熱が冷めぬうちに最新の出演作「コネクション」を視聴。
主演のチソンは、確か2〜3年前に「知ってるワイフ」を見て以来。「キルミー・ヒールミー」の多重人格の演じ分けや、「被告人」のしつこいくらいに(良い意味)目が離せないサスペンスでの熱演など、見たドラマはどれも満足度が高いけれど、なぜか本人にはそこまで落ちなかったのが正直なところ。
しかし! このコネクションでのチソンは、初めてわたしの好みのチソン! という感じで、ときめきながら視聴した。もともと丹精なハンサムが、良い感じで歳をとったのと、役柄的に麻薬中毒の麻薬捜査官で、禁断症状に耐えながらの動きが、妙に憂いを帯びた雰囲気を醸し出していて、そのあたりがわたし好みだったと自己分析。話の筋とは関係ないところでまず高評価(笑)。
ジャンルで言えば、サスペンスで、高校の同級生複数名が登場人物で、高校時代のいわくつきの事件から始まって、40歳前後になってまた起きたその中の1人の自殺をきっかけに、ラストまでもつれにもつれて展開していくストーリー。
「友情」という言葉がむなしく空回りしつつ、最後までキーになっていくのだけれど、財力、知力、野心、権力…持つ者・持たざる者の間で生まれる、韓国ドラマ定番の濃い感情のもつれを、スピーディな一つのサスペンスストーリーに仕上げていて、結末まで一気見してしまいながらも、予想通りのラストに着地する。ここまで含めてもはやいつも通りで、それはそれでなぜか満足感につながるのだ。
個人的に良かったポイントは、前述のチソンの憂い、それからチョン・ミドが、離れて暮らす娘のためではあるが、お金のためにグレーゾーンにも踏み込みながら仕事をする記者役で、汚れた部分も持った人物も自然で、はまっていたところ。ウェルテルのような天然の天使も、脛に傷を持つ生身のグレーな人間もどちらも良いのはさすがである。加えて、チソン、ミド、もう一人のミドに永遠の片想いをしている同級生の3人が織りなす、恋愛をとうに超えてしまった、それぞれを尊重する良い距離感を持った関係性が、これこそ、理想の「友情」ではないかと思えて、それも良かった。
チソンに思いのほかはまってしまったので、未視聴の「悪魔判事」や「医師ヨハン」も、これから見たいドラマリストに追加決定。楽しみ。