ありんこ

悪魔が来りて笛を吹くのありんこのレビュー・感想・評価

悪魔が来りて笛を吹く(2018年製作のドラマ)
3.8
最後原作と若干違っていたが、恐ろしくも皮肉な運命に翻弄された犯人が可哀想で涙してしまうのは同じ。よくもまあ、こんなツラい話考えつくよな横溝正史。
話の内容上、エグいシーンが多いんだけど、NHKのドラマにしてはがんばって描いていたかも(工夫したんだろうなぁ)。

原作ももう朧げにしか覚えてないが、玉蟲伯爵の殺人については勢いだったのか。てっきり計画的なものかと思ってた。けれどそこから犯人のタガが外れたんだろう。あんな家、滅んでしまえと。そもそも貴族解体の時勢で放っておいても滅びゆく人々ではあったのだろうが。最後の美禰子の強さに救われるのは原作と同じ。
フルートを実際に吹いて「悪魔」を秀輔が指し示していたのがわかるわけだが、あんなん気づくわけないよ(笑)。ヴィルヘルム・マイスターの本も。まあ、あからさまに真実を書き残してしまえば、この話すぐに終わってしまうし。これは最後に持ってこないとね(笑)。

役者さんは安定して上手い人々。志田未来の美禰子はなんかイメージが違うけど。倉科カナは上手くハマってた。
吉岡秀隆と倍賞美津子のやりとりになんだかホッとする。以降の作品でも彼女出てくるのかな。
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