ぐり

柳舟恋記~皇子とかりそめの花嫁~のぐりのレビュー・感想・評価

4.5
良質なラブ史劇。脚本が良い。前半には嘘に嘘を重ねて辻褄が合わなくなっていく可笑しさあり。主演は、張晩意と王楚然。二人とも過去作で主人公の敵役を演じた経験があり、苦手な人も多いと思うが、本作でイメージが一新され、好感度が上がったと思う。張晩意は、声とせりふ回しが好み。コミカルなシーンでは、演技力の高さが光る。題名の「柳」をイメージしたであろう落ち着いた色合いの上質な衣装の数々にも目を奪われた。王楚然は、ともかく美しい。「記憶喪失時の可愛らしい妻」と「記憶回復後の凛とした侠客」の演じ分けも上手。物語は「記憶を喪失した女と、その女に夫と勘違いされたのを利用して、女から敵の情報を得ることにした男」という設定から始まる。この「女に後ろめたい気持ちを抱いている男」という役どころが、張晩意には似合っていた。中盤の演技には、女に嘘がバレて、復讐されても構わないとの覚悟も見えてかっこいい。滝の前での別れのシーンなど象徴的な場面で様式美を意識したような演出も記憶に残る。
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