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隠蔽捜査のnorisのレビュー・感想・評価

隠蔽捜査(2014年製作のドラマ)
4.0
お勧めのドラマを聞かれたら、今季は文句なしにこれを一番に推してきた。最後は生瀬勝久が生き残るという終わり方だったので、ぜひ続編を作ってほしい。残念ながら全11話の中にエピソードを詰め込みすぎたので(「半沢直樹」のように前半で1話ぐらい使ってもよかった)、原作の残りがもうないのかもしれないが。

始まりの中年女性ナレーションからして、本作は「半沢直樹」の警察版と言える。「半沢」の上戸彩はサラリーマンの女房の鑑みたいに言われたが(しかし原作では半沢夫婦が互いにもつ感情はもう少し複雑らしい)、こちらの鈴木砂羽はそれ以上であり、もはや戦友である。シゴトと家庭が同じ重みをもつのが本作独特の面白さで、毎度それに引き裂かれる杉本哲太は、シゴトでは古田新太、家庭では鈴木という強力な相棒によって難局を乗りきる、という基本的な構図である。「すべての責任は俺がとる」という決め台詞は「倍返しだ」と同様にヤケクソとも思えるギリギリの賭けを表していて、各エピソードのクライマックスがそこに集約されているのが素晴らしい。

杉本哲太は当たり役だったといえる。あと、女っ気のない中にあって、#青山倫子 の色気が映えていた。
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