nekoyashiki

名もなき毒のnekoyashikiのネタバレレビュー・内容・結末

名もなき毒(2013年製作のドラマ)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

春分の日にWOWOWプラスで全11話放送されてたのを視聴。
祝日の昼前から10時間半にわたって放送されてたのを飛び飛びに観ただけなので、
たぶん半分くらいしか観れてないです。

タイトルは『名もなき毒』になってますが、2部構成になっていて
第1話から5話までが『誰かSomebody』を
第6話から11話までが『名もなき毒』を原作としてドラマ化されています。

今多コンツェルン会長の個人運転手梶田が自転車にひき逃げされ、死亡し、
まだ見つかっていないひき逃げ犯を見つけるために
父親の伝記を出版したいという梶田の二人の娘に
会長の娘婿の杉村三郎が二人に協力するというところから第一部が始まります。

ネタバレを書いてしまうと梶田の暗い過去とひき逃げは無関係で、
子供の頃の聡美が誘拐されたというのも本人の勘違い、
たしかに犯罪だけど、ある人物を助けるための違法行為で
誰かが梶田が人の恨みをかっていたように見せかけていたことが判ります。
梶田がタクシーの運転手という設定やひき逃げされた、誰かの恨みをかっていたらしいことから、自動車事故絡みに見せようというミスリードが感じられます。

少し気になった点としては、深田恭子の声が低いのもあってセリフ棒読みに聞こえた。
普段からテンションの低い感じの話し方してるのかもしれないけど。

第二部は留学の決まった広報部 編集アシスタントの後任アルバイトを公募するところから始まります。88人の応募者から採用された原田いずみは期待とは裏腹に仕事が全くできず、注意されると逆ギレする有り様ですぐに解雇されるが、広報室内でのパワハラや差別で不当に解雇されたので訴訟を起こす旨の手紙を会長に送りつけてきたため、この問題への対応を会長から命じられるところから始まります。

原田いずみの過去を調べているうちに杉村は元警察官で私立探偵の北見の事務所を訪れるが、その帰りに北見の事務所で入れ違いになった女子高生の古屋美智香と知り合いになります。美智香は今世間を騒がせている無差別連続毒殺事件の4人目の被害者の孫で警察に母親が連日取調べを受けているのを心配して北見に相談していたのが判ります。

これもネタバレを書いてしまうと、1人目と3人目の犯人は同一人物で自首、2人目は他殺に見せかけた自殺、4人目の犯行だけ犯人が検挙できず捜査が難航します。美智香の祖父は交際していた奈良和子という女性に株と退職金ニ千万円を残すという遺言書を書いていて実の娘の古屋暁子と口論していたり、被害者が毒の入ったウーロン茶を買ったコンビニに、当日の朝、暁子が来店していたのが防犯カメラに映っているのに、半年くらいそのコンビニに行ったことはないと嘘をついていたり、暁子がコンビニの店長と交際していた過去がわかったり、奈良和子に前科があることが判ったりします。やがて奈良和子がマンションの屋上から投身自殺を図り、和子のバッグから殺害に使われた青酸カリの入った瓶が見つかり、事件は落着したかに見えますが......

このドラマの一番の見どころは江口のりこの怪演で殺人犯でないにも関わらず、
全話見終わって印象に残ってるのは間違いなくいずみの出てくるシーンです。
ゴジラ並の破壊力です。
大杉漣さん演じる北見は原田は今どきの普通の若い女性だと言っていますが、
それは間違いです。自分に非のあることを他人に責任転嫁する人はたくさんいますが、逆ギレして大暴れして他人に怪我をさせたり、ミネラルウォーターに多量の睡眠薬を入れたりするような人はまずいないので、然るべき施設で隔離、矯正する必要がある人格障害者です。人格障害にも先天的、後天的、程度の違いなどあると思います。これは11年前のドラマですが、令和の現在、こんなドラマを作ったら障害者差別に繋がるとして問題になると思います。多分今は地上波で放送できないと思います。
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