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デクスター シーズン3のマツタヤのレビュー・感想・評価

デクスター シーズン3(2008年製作のドラマ)
4.0
本日はとても暑い1日でしたが、今日も始まりますマツタヤRADIOの時間です、皆さんいかがお過ごしでしょうか。

本日はデクスター。デクスターといえばあのSlice of Lifeってありますよね。
デクスターの所有する一隻の自家用ボートのことですが、これを人生のひとこま号と訳せば、さらに加えてデクスター自身が殺めた人達のまさしくいのちをスライスする意味も込められているのは言わずもがなであるけれど、僕はそこに今日新たな意味を1つ加えたいと思うんです。
それは主に80年代に活動しその風貌や音楽性、ライブ時の視覚的パフォーマンスから元祖ゴスと言われた伝説のバンド、バウハウスの一曲その名も「Slice of Life」に絡めて。

まさしくデクスターのテーマと言っても過言ではないこの曲、のっけから始まるギターのもの悲しいアルペジオはさながら人生のひとこま号にのって闇夜の波に揺られながら川下りする男のサウンドトラックのような気がしてくる不思議。

ではこの曲をもっと詳細に見ていきましょう、以下は曲の日本語訳とそれに類推されるデクスター自身と重なる境遇その他諸々であります。

彼女の視線が私の味方に当たった
開けてみた
違いだと思ったものを破壊する
→これはリタのことかもしれない、いつもリタが見つめる視線をデクスターがなんとも居心地悪い気持ちで受け止める様がうかがえます。

だから私はもう一度あなたに嘘をついた
だからもう一度塗りなおした
→そう、リタには一度ならず何度も嘘ついてます。(リタはデボラに置き換えても可)

だから私はもう一度あなたの前に死ぬ
「違いは何ですか」
→リタの前にいる優しい自分はかりそめであり掟を遂行する上では何度も優しい自分を殺している、いわば死んでいるようなものかもしれません。
違いは何か、とはこれはハリーの掟のことではないでしょうか、掟に従って人を殺す、掟に沿わない場合は殺さない。だがそこに殺人という上での違いはあるのでしょうか。

味がどこにあるのかはっきりわかる
ここでは白黒で表示されます
→味?なんでしょうかこれは。そういえばオープニングで作ってる分厚いベーコンみたいなのいつも美味しそうですよね。

2秒の男の子がいます
→これは次のシーズンから登場する可愛らしいハリソンのことですきっと。

燃焼光の中で白色光
「違いは何ですか」
自分を明確にする
これらの目を燃やします
この場所を引き裂いて悲鳴を上げる
「私はあなたの人生の一部です」(4回)
→来ました!サビです。ここでひたすらI'm your Slice of Lifeって4回叫ぶんですけどそのバックでは決して跳ねないズシッと腹にくるドラムスが登場するんですがこれがまたボートからデクスターがビニールにくるんだバラバラ死体を水面に落とす時の音に聞こえるんです、4回だからちょうど頭、腕、足、胴体という風に。

ランポストの下で震える
ガラスの下で震える
→きっとあれじゃないですか、血を一滴たらすあのガラス板。狭いガラス上にたらすもんだから手が震えながら垂らしてるんです🩸

カリスマ性に再びあなたの立場
神はそれが続くことができないことを知っています
「違いは何ですか」
体の中の氷
心の中の血
→体の中の氷とはデクスターの中にはまだ兄の冷凍庫キラーが生きているのかもしれない。そして心にはいつも血ー🩸

それでも12の顔が立っています
→1シーズン12話構成だからですよねきっと。

細い骨を抱き締める
「違いは何ですか」
だからあなたが何であるかを明らかにする
これらの目を燃やし、この場所を引き裂いて悲鳴をあげる 「私はあなたの人生の一部です」(4回)
そして車は彼をそんなにもっと開けました
お金は明るくて、笑顔も広がります
そして問題はあなたの頭の中で拡大します
「私はあなたの人生の一部です」
→最後は例のドラムスが延々と続く、昨日も今日もそして明日もデクスターは人生のひとこま号に死体と共に乗って闇夜に出航あいなりと。

このSlice of Lifeはバウハウスのラストアルバムに収録されていて、バンドは解散に向けた最後のライブでバウハウスの名付け親でもあるメンバーのデイヴィッドが「安らかに眠れ(R.I.P)」と言って幕を閉じる。ここに崩壊寸前の実験性と投げやりのメランコリーが何故か希望に繋がると言われた奇跡のバンドが幕を閉じたのです。暗鬱なメロディがデクスターの闇にも通じるし、投げやりなとこはデクスターの死体の扱いや割とぞんざいなルールの定義にも通じる気がする、というか雑すぎてこれで捕まらないの嘘だろ!ああでも捕まらない、そうそれが希望なのか。。

ちなみにマスクってアルバムにはハリーって曲もあってこれはあの実は割とお盛んな父親ハリーがイメージできるレゲエナンバーなのと、そもそもデビュー曲がベラルゴシの死って曲でこのベラルゴシって映画「魔人ドラキュラ(1931年)」の主演俳優だからデクスターの血のイメージにもピッタリ、もう何から何までバウハウスとデクスターの共通項の嵐が僕の中でほんの人生のひとこまに過ぎなかったバウハウスの存在すら大きくなって人生の一部(Slice)になってしまった感があるMy Slice of Life⛵️
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