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息もできない夏のsuiのレビュー・感想・評価

息もできない夏(2012年製作のドラマ)
3.9
Tverで観ました。主題歌が好きなアーティストだったので、11年越しに。
11年前にこの問題をこんなにメジャーの場で取り上げたことがすごいと思うし、どうしようもない感情や主人公の年相応の葛藤の様子などリアルに描かれていたと思います。ねほりんぱほりんで無戸籍児の回があったことをよく覚えているのだけれど、彼らに比べたら玲はいちおう学校にも行ってまともな仕事もできているので、かなりマシな部類に入るのだろう。だからといって無戸籍であることは大きなハンデであり、つらいことには変わりはないけれど。
最終回で「何度生まれ変わっても同じ道を辿る」といったような台詞があり、そこだけマジで理解ができなかったのですが(DV男とわざわざ関わる必要はないし、玲だって鮎川ではなく谷崎の実子として生まれてきていたらつらい目に遭わずに済んだはずなので、仮に別の人生があるならそっちのルートを選べよと思う。そもそも子供が玲であろうがなかろうが、我が子につらい思いをさせていることに対して負い目はないのか?)、
なんかこういう一見美談がかった自己中心的な思考回路こそが、子供を欲しいと思って産む人のそれってかんじだなと、またそのあたりも嫌にリアルだなとも思いました。おれはそんな感動チックに見せかけた利己的なことは絶対に言いたくないよ。
あとから振り返ると、やっぱり葉子の幼さ(父親と何があったか分からないが、そういう家庭環境のせいでもあるのかもね)がネックだなと思うね。
そもそも遺伝子検査する前から分かっていたなら、妊娠した時点で分かっていたんじゃないのかな。こうなることが分かっていて中絶しなかったのはなぜなのか。

あと鮎川が過去あんな人間だったにも関わらず今わりと普通になってて、そんなことあるか?とも思った。DVに至る人間は認知の歪みがあり、それはカウンセリングや然るべき更生プログラムを受けないと簡単には変わらないはずなので、時が経って病を抱えるようになったから丸くなった、みたいなのは都合が良すぎるような。
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