クーベルタンはな

たぶらかし~代行女優業・マキ~のクーベルタンはなのレビュー・感想・評価

3.0
女優になりたくて事務所のオーディションを受けたらそこは代行業を専門とする事務所だった。
お客から新妻の役、死体の役、母親の役等々、役になりきってお客の要望に応える。

ストーリー
これは女優の物語です。
ただ、普通の女優ではありません。
脚本無し、演出無し、観客無し。

彼女の舞台は、劇場以外の全て。
演じる相手は、自分以外の全て。
親戚付き合いが煩わしいという花嫁に代わって、新妻の役を。
死亡保険金詐欺疑惑の調査協力で、死体の役を。
仕事が忙しいセレブ社長に代わって小学校の面接に行く母親役を。
法律に触れない限り、依頼に応じてあらゆる役を演じます。

様々な役を演じながら、複雑な人間関係を時にほぐし、
時に一刀両断にしていきます。
そんな体当たりの女優業の中で、思わぬ真実に辿り着いたり、自ら悩んだり、傷ついたりしながら、やがて・・・人間という得体の知れない存在が持つ、優しさや愛しさ、残酷さ、滑稽さを発見していく。
楽しくて面白い、それでいて泣けるエンタテインメントです。