電気羊

マジムリ学園の電気羊のレビュー・感想・評価

マジムリ学園(2018年製作のドラマ)
5.0
「私の前に立つんじゃねぇ!」
傑作漫画「男組」を彷彿させるAKBGが出演するマジスカ学園シリーズのヤンキードラマ。
街を牛耳る大手企業=神崎ランドの社長の一人娘である神崎亜蘭は、帝王学を学ぶために大手企業が設立した高校=嵐ヶ丘学園の生徒会長となり生徒会を選民、一般生徒たちを平民と呼び学園生活の差別化を図っていた。

学園の教師はおろか警察でさえ大手企業の破格の条件での天下り先の提供や献金により大手企業に表立って逆らえず言いなりになっている現状で、主人公であるとある女生徒リリィー(小栗有以)が転校してくる。
リリィーは母親を刺殺した真犯人の捜索と犯人の冤罪を着せられた兄を救うため、手掛かりがこの嵐が丘学園の生徒にあるとして転校してきたのだ。

権力と暴力により生徒たちを支配する生徒会親衛隊は、学則に従わないリリィーを暴力により粛清しようとするのだが、リリィーの目にも止まらぬ蹴りにより一蹴されてしまう。

リリィーは母親仕込みの喧嘩殺法を会得していた。攻撃力は重さ×スピードで決まる。
男よりも身体も軽く力もない女子が男と対等に立ち向かうために、リリィーは、パンチより3倍の威力を持つキックを迅雷のスピードで放つことで、巨漢の男に立ち向かうだけの攻撃力を身に付けていたのだ。
「百合の花を見納めに地獄へ行きな。」リリィーが蹴りを放つとき、敵は制服のスカートの裏地に刺繍された百合の花を見納めに自分が倒されたことにさえ気が付かずに地面にひれ伏すことになる。

リリィーは生徒会の刺客を次々に粉砕し、平民と貶められていた生徒たちから学園に革命をもたらすジャンヌダルクへと祭り上げらていく。
そんな折リリィーは、神崎ランドと嵐が丘学園が出来たことで、昔からの地元民は生活を圧迫され恨みを抱えていた荒地工業高校の総番マンジから共闘を申し込まれる。
一度はその申し込みを受け入れようとしたリリィーだったが、仲間の裏切りにより、絶望の果てに嵐が丘学園を出奔してしまう。

東京のネットカフェで目的もなくその日暮らしを続けるリリィーだったが、このままでは何も成し遂げられないと自覚し、死に花を咲かせるために嵐が丘学園に舞い戻る。
そんなリリィーに生徒会長から兄の弁護士費用と母親刺殺犯人の情報提供と引き換え条件に、荒地の総番マンジを倒すことを受け入れる。
リリィーは生徒会長から渡されたマンジの居場所へと赴くが、そこではマンジの兄から嵐が丘の土地開発のせいで職を失った父親が自殺したことを教えられる。リリィーはマンジとタイマンを張るが戦意を喪失しマンジに敗れ去ってしまう。
リリィーに失望した嵐が丘学園の同級生たちは一度はリリィーを見限る。

嵐が丘学園の生徒は荒地工業高校との全面戦争へと突入するが、事件の真相をマンジの兄から聴かされたリリィーは全面戦争を止めるべく戦場へと分け入り両者の説得にあたる。
だが、怒りが収まらないマンジが神崎亜蘭を狙った爆薬攻撃をリリィーは身を挺して庇い負傷してしまう。

だが、その行為は無駄ではなかった。嵐が丘学園の生徒会は変わる革命の一歩が踏み出されたのだ。

ゆいゆきがクソ可愛くて激熱ドラマだったぜ。

百合を咲かせるか?
「百合が咲くまでに勝負は着いてる。スカート翻し裏地拝んでしまったら終わり。百合が咲くまでにとっとお帰り。目に留まらぬたった一撃で全て後の祭り。もういいだろ?そこまでマジにさせないでくれよ。私がリリィー。」
電気羊

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