竜平

LOST シーズン2の竜平のレビュー・感想・評価

LOST シーズン2(2006年製作のドラマ)
4.1
未知の島に不時着した人々のサバイバル模様と、その島に隠された数々の「謎」を紐解いていく、J・J・エイブラムスが手掛けるミステリー的ヒューマンドラマのシーズン2。全24話。

シーズン1ではまだしれっと語られる程度だったもの、又はがっつり示唆されていたものが続々と登場してくる今回。見つかった謎の「ハッチ」、何やら島に存在する「他のもの」、そして「旅客機の後部」の存分など、新たに判明する事実がまた新しい展開をもたらす。思わぬところから登場人物も少し増え、新たな思惑やいざこざも増える。恋愛模様や友情模様なんかは前回よりも色濃くなっている印象。それぞれの過去の細かい繋がりというのもこれまで以上に出てきたり、シーズン1では伏せられてた部分がここにきて明かされる流れにもワクワク。24話分を余すことなく使って話をどんどん広げていく、という感じ。気づいたらやめられない止まらない、かっぱえびせん状態になること請け合い。

そんなこんなで、人間関係が拗れたり芽生えたりのドラマがとにかく多い。例えば序盤、現実的な考えの「ジャック」と運命やら何やらを信じる「ロック」、リーダー的な立ち位置にいるこの二人の対立から始まり、息子をなんとしても取り返したい「マイケル」、シーズン1からなんかずっと危うい「ソーヤー」や「チャーリー」や「ケイト」など、各人物から目が離せなくなるはず。シーズン中の前半と後半で人物の立場や考え方みたいなものが真逆くらい変わるのも楽しいところ。個人的には中年の黒人女性「ローズ」のエピソードがここにきて出てくるあたりにグッときたりして。

島の謎については相変わらず明かされるものよりも深まるもののほうが多くて、このシーズン2に関してはヒューマンドラマの部分で楽しめるかどうか、になってくるのかなと。見てる途中で気づいたけどもシーズン2も昔一度見ていて、だからか結構長く感じてしまったのが正直なところ。ただ毎話やっぱり気になる終わり方で締めてくるし、そこに予知夢やら幻覚やら、超常現象的なものを絡めてくる展開も健在で、その異様な世界観と旨味の多さには確実に引き込まれる。新事実を見せてくる場面なんかは鮮烈なのがたくさんあってこれも結構覚えてたし、ワクワクとハラハラドキドキのその演出は素晴らしいなと。そんでハッチでの「ボタン」に関する騒動と、新たに登場する謎の人物「ヘンリー」にまつわる事件が重なっていく終盤、別行動を取ることになる者たちがそれぞれ陥る危機的状況、どんどん展開が見えなくなってどんどんおもしろくなる。次のシーズンへの流れるようなバトンタッチは完全に見もの。というわけでそのままのテンションでシーズン3へレッツゴー。
竜平

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