ささ

私が一番きれいだったときのささのネタバレレビュー・内容・結末

私が一番きれいだったとき(2012年製作のドラマ)
4.0

このレビューはネタバレを含みます


皆さんの評価は低めでしたが、私は4ツ星に。

私が10代の時に母が若くして癌で亡くなり闘病生活(抗がん剤治療も含め)を間近で観ていたことも影響しているとは思いますが、

弱って無力な自分を病人としてでは無く女性として見てくれる若い男性の存在は大きかったと思います。

入院する日に着ていた女性らしい装いも余命僅かで長年色々なことを諦めながらも女性として生きたいキレイでありたい心を代弁しているかの様でした。

旦那さんは癌と解りながらに奥さんとご結婚をされ子供ももうけ自身の夢よりも奥さんを優先して来られているので愛されていると思うし恵まれているとは思いますが、

彼女が満たされる 愛のカタチとはズレが有ったんだろうなぁ。  

病人としてでは無く女性として扱って欲しい、尽くしてくれている相手の夢を自分が原因で諦めて欲しくはなかった。

出逢って間なしの若い彼(イ・ジョンソク)の発言は現実的に叶わないことと分かってはいても 彼女が癌によって心の扉に鍵をかけ諦めていた部分を開け放つことに至ったんだろうなぁと。

約70分ほどのドラマの中で
いきなりの激しめのキスシーンに不自然さを感じられた方も多かった様ですが、

ガールフレンドがいながらも一回りほど年上にもかかわらず一瞬にして惹きつけられ幸せにしたいと思える魅力を感じてしまった彼。

若さゆえに後先を考えず今の自分の思いを優先出来る行為は無謀でも有りながら自分に偽りの無い選択を出来る羨ましさも。。。

明日死ぬとしたら何をして過ごしたいかを彼女に問いかけ、その返答の彼なりの解釈は彼女に気付きを与え、付き合いの長さに関係無く彼女の幸せを考えている様にも。

終わり方が個人的には急展開+まさかの結末で残念だったものの、もし彼女の立場ならば、女性として扱ってくれた嬉しさを胸に、人の記憶の中で一番キレイな時に人知れず去ることで終わらせたい思いも分かる気が・・・。

これ以上 彼との関係を深める前に 自分の亡き後の傷が浅い内に離れる選択は彼女が彼と旦那さんへ出来る最後の選択だったのかも知れません。




(余談ですが・・・)
イ・ジョンソクさんが以前バレンタインシーズンのインタビューで『最も甘い言葉は?』の質問に対して『愛の温度』というドラマ(12話)のセリフの『何してるの?』=《会いたい!》を引用されていましたが、夫役ソン・ヨンギュさんは そちらのドラマにもドラマ監督役で出演をされていました。

イ・ジョンソクさんの今回の役のビジュアルはシークレットガーデンに近いモノが有りました。


(まとめ)
映画もドラマも今の自分の置かれている立場によって感じ方や捉え方は大きく異なると思いますが、

愛の深さは付き合いの長さでは無いこと。

愛には色々な形があること。

相手を傷付けない為に自身を偽って生きるか、それとも自分の心の声に耳を傾け生きるか。

自分の夢を諦め相手に尽くすことが本当に相手の為なのか。

最愛の人を見守り看取る為にしていることが、自身を慰める為のものなのか、相手の求めているものなのか、この辺りはとても難しい。


誰かの支えになる時、
相手が求めるタイミングで、
相手が望むやり方でやってこそ
相手に喜ばれるとも言いますが、

女性としてキレイに生きることも含め色々と考えさせられるキッカケにもなりました。


U-NEXTの配信が今日で終わるのがとっても残念!!
ささ

ささ