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ヴェロニカ・マーズ<ファースト・シーズン>のshunのレビュー・感想・評価

5.0
ずっと観たかったヴェロニカ・マーズ、突然アマゾンに復活したので一気に1シーズン観ました。

ストーリーは親友殺人事件の犯人探しを主軸に、自分のレイプ犯探しや学校で日常的に起こる事件を絡めてヴェロニカとほの周りの人たちの関係を映し出す感じです。
観終わって感じたのは思ったより重い、ということ。
元々クリステン・ベルは作品はコメディが多いしすごく彼女自身面白い人だからこのドラマも「高校生探偵が日常のお悩みを解決!」ってノリかと思ってたら全然違った。もちろんユーモアもまじってすごく笑えるポイントもあるんだけど。

多分、起こる事件の半分以上が性犯罪みたいな感じだし最初のエピソードからずっとヴェロニカをレイプしたのは誰か、、っていう疑問が続く。そして、いかにもアメリカの学園ドラマっぽいパーティー、ドラッグ、アルコールの要素もたくさんあるしいじめなど結構広く深く掘られています。

物語のスタートはメインの事件(親友殺害)から何ヵ月かたったところ、というのが丁度良い。その事件が起きるまでと起きた後が少しずつ明かされていく。観終わるとと主人公ヴェロニカの印象が最初とは結構変わってくる。

最初はなんだか一匹狼でクールで周りのことは気にしない!っていう感じの主人公が社会にグサグサと正義を突き刺す!って感じかと思ってたけどこれがそんなに単純であるはずかない。観進めていって親友の死を中心とする一連の出来事がどれだけ彼女に深い傷を負わせていたのか、というのが少しずつ見えてくる。あの事件を発端として母親の失踪、出自への疑問、学校内でのいじめ、レイプ、、などとにかく色んなことが彼女に襲いかかって来ていてなんとかそれに自分なりに耐えた八か月後があのヴェロニカがあの1話目だったんだと思う。

改めて、クリステン・ベルは凄いなと思った。皮肉とユーモアたっぷりに早口にまくし立てる表情豊かな感じはクリステンそのものな感じで例えば「グッド・プレイス」でもそんな感じでほんとに彼女の魅力だと思う。
それに加えて、感情のこもった演技がとにかくよかった。特に最後の何話かな。21話目のダンカンと話して泣くシーン印象的。ずっと抑えていたもの、強がっていたものが一気に溢れてくる感じ。
クリステンが醸し出すどこか等身大なところもすごく話とマッチしてる。結構な能力の持ち主ですごい学生なんだけどあくまで1人の女の子である、っていうのを忘れていない感じがいい。失敗だったり勘違いするエピソードも探偵ものにしては多めなのが感情移入しやすいのかもしれない。

そんなヴェロニカを支える二人、ウォレスとお父さんの存在も良い。とってもいいサポーティングキャラクターでした。ウォレスと出会うところから物語は始まるのだけれど彼がヴェロニカの助手となることが少しずつヴェロニカを変えていく。ほとんどの時間一緒にいるし色んな話もするけど絶対に付き合わないって確信が持てる距離感がとにかく安心できる。ちょっとお互いをいじりあったりするような会話のやり取りも聞いていてとても楽しい。この二人はずっとこの距離感でいてほしい。
そしてお父さん、時には道を踏み外すヴェロニカをすっといつの間にか正して包み込んでくれる、最終話ほんとにかっこよかった。
あと犬のバックアップが名前の通りバックアップちゃんとしてたのが良い。結構頼れる。

あと1話のみの登場人物みたいなのが多かったのもよかった。というか他のエピソードと繋がりの無い1話完結で出てきたキャラがそのエピソードだけでさよならするのが気持ちいい。でも二人ぐらい21話でカムバックしたのは驚いた。
結構1話で何個も事件を掛け持ちするから大筋に関わるメンツとそうでない人で分けてくれてるのは把握しやすい。
ゲストが豪華だった。他分野みんな有名になる前ですね。レイトン・ミースター、パリス・ヒルトン、ジェシカ・チャステイン、、など。
あと出てるのは知ってたけどアマンダ・サイフリッド、意外と出番多くて嬉しかった。めちゃくちゃ若い!

ウィーヴィル、ダンカン、ローガンの三人もいい感じ。
ヴェロニカはエピソード中にもコロコロ服装と髪型が変わってそれだけでも楽しい。オープニングもシンプルだけどかっこよくて毎回飛ばさず観ちゃいました。ヴェロニカの最後のキメ顔かまたまらない。

最終話最後は続きが気になる終わり方でした。できればこのままシーズン2突入したい。
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