久しぶりに見直して、雪穂の子供時代を演じた福田麻由子の翳りが素晴らしい。山田孝之と綾瀬はるかも良いけど、やっぱ印象的なのは子供時代の2人。ライクアガラスの仮面で北島マヤが演じた「嵐が丘」のヒースクリフとキャサリン状態。子供時代がすごすぎる。太陽の当たらない、暗い毎日を過ごしていた亮司と雪穂が、嘘を重ね罪を重ね人の道を外れながら、お互いの真っ暗な毎日をほんの少しでも照らす太陽であろうする。歩けないような暗闇も、お互いがいたから覚束ない足取りでも、歩けた。間違いなく欲に目が眩んだ大人たちの被害者であったはずの彼らがいつのまにかお互いが生きるために加害者になっていく。他人の犠牲の上に成り立つ献身。それでも、笹垣が亮司のすべてを否定して、肯定してくれたのが悲しくて嬉しかったな。
君が幸せ掴むように、偽日になり祈ろう。
