人はサイコロを振る。どうしようもないことに人は日々直面している。ままならないことに正面から向き合うことや、真摯に取り組むことへの勇気をもらえる作品だった。リアルタイムで見た時には死の喪失にばかり注目していたが、改めて見ると、どのように生きるかを丁寧に描いていると感じた。
私たちも、乗員乗客と同じく、限りある生を生きている。わだかまりはわだかまりのまま残っている。そのまま時の流れに身を任せたくもなる。しかし、それでは時が止まったままかもしれない。時を止めている私に、正面から向き合ったのか?それでいいのか?と物語全体が問うてくる。私はその問いに答えられる気がしない。でも答えたいと思うし、少しずつ変わっているはずだ。そんな時てっちゃんが「がんばれ」と囁いてくれることを願う。
そして、神もサイコロを振るかもしれない。
もたいまさこファンとしては最後に出てきてくれてとても嬉しくなった。