あきっこ

野ブタ。をプロデュースのあきっこのレビュー・感想・評価

野ブタ。をプロデュース(2005年製作のドラマ)
4.7
リアタイ時もハマって友達と学校帰りに「バイセコー」とか言ってたけど、15年ぶりに見たらあまりにも沁みた。

当時はちゃんと理解しきれていなかったけれど、修二も彰も信子もまり子も他の生徒たちも、それぞれに強さや優しさや弱さを持っていて。そんな彼らを見守り導く大人たちが学校や家庭や本屋にいて。高校生活という狭い世界で自分のポジションや人間関係に悩みながら、お互いに関わり合うことで少しずつ何かを見つけていく。アイドル主演の学園ドラマと聞いて浮かぶ明るいイメージとはちょっと違った切なさがうっすらと漂うドラマ。信子に抱きしめられた修二が「俺はノブタが好きだ」とかじゃなく「俺は寂しい人間だ」と気付くシーンがそれを象徴していると思う。

特に好きなのは文化祭の回。彰と信子がススキと夕陽を背に2人乗りする画でなぜか泣きそうになった。修二は修二で、友達の頼みを断れずテンパっていく姿が後の「人が好き」「嫌われたくない」という話に繋がっていて好き。文化祭の1日だけでも学生時代に戻りたいという気持ちが今なら死ぬほど分かる。
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