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メディア王~華麗なる一族~ シーズン4のysasamurのレビュー・感想・評価

5.0
サクセッションS4E1。クソの全部盛りワンプレートなエピソードでまじで映画にできそうなクオリティ。シーンごとの緊張感は凄すぎてちょっと漏れました。大好物なブラックジョーク達はキレキレで全部ミーム化確定。このTVシリーズを見る最大の目的である美しい英語のボキャブラリーがまた増えました。ツボったのはケンダルがいきなり鼻からアゲてるのとTHE HUNDREDのくだり。そしてパパローガンから始まる突然の"チキチキおもしろい一発ギャグを言おう"のコーナー。フランクとカールのおやじギャグからのグレッグのルール無視は最高。パパもローマンが恋しいんだろうけどあれはムリゲーすぎて死ぬ。キッズ達のTHE HUNDRED三権分立がワークして実はいい会社になりそう。

サクセッションS4E2。お立ち台に上っても身長が一緒の殺し屋サンタへの太鼓持ちスキルが爆裂上がってるトムはもう貫禄あり。フェラのご褒美ケリーの動画を1秒だけ流すヒューゴもツボったが、なんといってもロイ家inKARAOKE。ケンダルが本を取ったとき期待しちゃったよね。Mr.1%コナーの歌も最高最低!今週のローマンイングリッシュは”Hey budda!Nice tom ford!"と"I' m John,motherfuckers"に決まりです。しっかしケンダル&シヴ&ローマンっていい年こいてパパの愛がほしいでちゅっ!てホントに親離れできてないクソガキだよな。Mr.支持率1%コナーは違う闇はあれど長男だからそこは冷静。本番ありパパ活会のシンデレラことウィラちゃん(ドラッグやってた描写だった?)を幸せにしてあげてほしい。Mr.1%コナー長男だし最初にローガンも会社を継がせようとしたはずで、謎の牧場経営へ至る道とか相当深い確執と闇がありそうなんだけどそのあたりの描写ってどっかにあったんだっけ?自分から興味ないとは言ってたが強がり?家族に愛されてなかったからオレは大丈夫、みたいなセリフはめちゃ良かった。

サクセッションS4E3。結婚式だからロクなこと起きないだろうなと思いながらもグレッギングとケンダルチョップで爆笑してたらえ?え?え?となってそのまま息もできずうまく泣くこともできずに終了。この緊張感と1シーンの重みの感覚はベター・コール・ソウル以来で史上最強のエピソードだった。トムにこれからは攻撃的にいくって言ってたしなんかの心理戦かな?そしてローガンそのものがちゃんと映らないからまさにキッズ達と同じ状況になってなかなか受け入れられなくて混乱と感情移入がMAXに。ホント演出が凄すぎる。シヴがマスコミに会見するときにやっと受け入れられて泣くことができた。どんなクソみたいな状況にあっても最高の皮肉とブラックジョークにまみれていた3人だったからこそこの状況が見ていてほんとにキツい。最後まで死という言葉を受け入れなかったローマンにはかなり感情移入してしまった。全キャスト演技が凄いが(ボディーガードも)キーラン・カルキンは特にヤバすぎ。そしてこの状況でコナーが結婚式をやりきったのは最初笑ったけどよく考えるとかなりシリアスな決断だよね。若い女がカネ目当てでしか近寄ってこない中年の悩みわかるよ?でもその質問をしちゃあおしまいよ?でも、それもこれもコナーの愛されなかったという思いからなんだよな。大好きだぜ!コナー!

サクセッションS4E4。傑作E3のあとはハイエナ達の乱行パーティーエピソードってところでしょうか。死んでも尚皆を狂わすパパロイの超絶妙メモを見つけた途端に壮大にクソを投げ合い始める老人会とキッズ達ににんまり。ケンダルのオープニング虚無カットから覚醒するラストカットの対比がパーフェクト!あと今回、トムがシヴへ階段で話しかけるシーンやキッズ達の作戦会議時に決してセリフの邪魔にならないめちゃくちゃ小さい音量で通奏低音のドローンのように鳴っているキャラクターの心理状況を表したような「音」に気づいてゾッとした。大音量で見たから気づいたけどいつもなのかな?ヤっバい仕事!日本では残念ながら味わえないけどサクセッションS4とバリーS4によるステファン・ルートの過剰供給にもニンマリ。こっちにも早いとこ頼みますよU-NEXTさま。

サクセッションS4E5。エクス・マキナの舞台にもなったノルウェイのJuvet Landscape Hotelと広大な自然の美しさをバックに文化的相性チェックという名のBoar on the floor並のクソゲーム。心臓がきゅんきゅんする交渉劇と人間たちの欲望の汚さがノルウェイの大自然によって滑稽さが際立っている。どいつもこいつもクソ野郎だがマットソンはケタ違い。シヴに話したエピソード含めてなんならサクセッション史上一番クソだよね?ムカつくわ〜。そしてそいつに向かってブチギレるローマンのシーンが最高でした。

サクセッションS4E6。ローガンの不在を埋める裸足マットソンのゾッとする存在感から始まり、リビング+を軸にウェスタ−ロイコの人間関係がローガンの不在でぶっ壊れていく。まさにサクセッション(継承)の難しさとおもちゃ箱がひっくり返されたように全キャラの機能不全が絡み合うカオスエピソード。全シーンネタみっちみちですごいワケだが残り4エピソードでどうなっていくのかヒントに満ちている予感も。ケンダルの鬼躁コンボ状態からの海ダイヴ、ローマンの極小チンポリピート、シヴのマットソン&トムとの不吉な関係性とキッズ達のメンタルは限界な感じだがそれらがラストにどう繋がっていくのか?

サクセッションS4E7。皆がカミソリの上を歩くようなパーティーの末にベランダでそれを言っちゃあおしまいよワード連発のシヴとトムの核戦争に。シヴ子供いる(んだよね?)と思うとギュッとなったわ。確かに愛と金の境目ってわからなくなるけど、この家に生まれた時点で愛とか諦めたほうがよくない?今回おもろかったのは典型的な陰キャ成り上がり理系感を丸出しにしてきたマットソン。めちゃくちゃいるよねこういうIT社長。クソダサジャッケット着てシヴの言いなりなのがかわいい。ローガンに黙祷してるタイミングで入ってくるのもかわいい。エバに暴露されてるのもかわいい。
Tom and Shiv ❤️‍🩹💔
Roman and Gerri 🍌📲
Lukas and Ebba 🩸 📩
Kendall and Frank 🤫💰
Connor and Willa 💒❤️
Greg and Zoom 🫵👋

サクセッションS4E8。アメリカを左右する投票をめぐる報道と兄弟喧嘩が何度もねじれを繰り返して一体化するエピソード。次第にアメリカがバカな兄弟みたいなのか兄弟達が偉大なるアメリカなのかわからなくなってくる。明らかなのはアメリカも兄弟達もWASABIが目に入って死に始めている。(うまい)
Mencken and Jiménez 🇺🇸 😇
Roman and Shiv 👉👈
Hugo and Frank 😂 😂
ATN and Darwin 🤥 🤢
Greg and Tom 🤧 🤧

サクセッションS4E9。ローガンの葬式の緊張感を通してアメリカと資本主義の闇を描いたエピソード。幼児退行したローマンをきっかけに、ケンはエディプスコンプレックスを炸裂させ、シヴは男の子たちの仲間にいれてもらえなかったとぴえんして父親から受けたグロい傷跡をさらけ出すスピーチがツラい。でもローガンにとっては最高の葬式。自分が作ったNYの街の暴動と会場に渦巻く利権をBGMに兄ユーアンの愛のあるスピーチと、子どもたちに与えた愛と傷をみながら最前列にはヤッた女がズラっと並ぶ。当たり障りないスピーチと無理やり探したエピソード話されて寿司食って帰られる葬式よりずっといい。今週のパンチライン大賞はイケメン・ナチ「リベラルか保守か君の信条は?」からのやや食い気味で発言されたマットソン「Privacy Pussy Pasta」の美しい3P信条表明シーンに決定しました。おめでとうございます。

サクセッションS4E10。マネーゲームの王座に座ったとしても死や誰かの愛によって王は必ず殺される。ケンダルを殺した愛はシヴのイエスによるトムと子供への愛、自分たちはバカなんだと吐露するローマンの愛。S4で加速した愛や人間らしさは資本主義のルールとぶつかり必然の結末になったように思う。個人的にはラストの王座もかなり納得。自分の経験則的にも創業者から受け継いだ社長ってのは創業者のチンコをしゃぶるのが好きなだけのクソなので(Appleは例外だが)崩壊するか、マットソンがうまくIT化していってマネーゲームは続いていきいつかはマットソンも殺されるだろう。自分はマットソンやスチューイ側のマインド(PRIVACY,PUSSY,PASTA.)のクソ野郎だけど1mmも反省せずに生きていこうと改めて。どんな大きいゲームやルールに加わっていたとしても自分が信じるものは変えないで生きていかねばとTARやYeも思い浮かべた素晴らしいラストでした。
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