葵

ウォーキング・デッドの葵のレビュー・感想・評価

ウォーキング・デッド(2010年製作のドラマ)
5.0
最高に面白い。ゾンビのグロさとか、アクションを見せたい作品ではない。過酷な状況下で描かれる人間関係の様子とか、家族でもない人々が生きるために生活を共にするうちに家族以上の関係性になる様子が美しい。無理やりな設定や後付け設定がなく、非常によく作られた世界観。一人一人のキャラクターに深いストーリーがあり全員好きになってしまう。その分別れは非常に辛い。綺麗事ばかり並べるわけでもなく、主人公も非常に感情の揺れやすい性格だ。章が変わると発言や行動が矛盾していることもよくあるが、それがリアルで非常にいいと思う。常に真っ直ぐで善意に満ちたそんなヒーローのような人は存在しない。主人公であっても葛藤し、自分を見失う。そういったリアルな人間の心情を細かに描き出しているところも素晴らしい。あと、黒人にアジア人、同性愛者に障害者と多様性に満ち溢れている。複数の監督で作品を作り、女性の監督もいるため、女性が不快に感じるようなシーンはなく、守られる女性ではなく自ら大切なものを守ろうとする女性が描かれていることも見ていて気持ちがいい。専業主婦的考え方と働く女性的考え方とのぶつかりもある(ローリとアンドレア)とにかく時代に寄り添い作品が作られている。とても素晴らしい作品だ。あと次がとても気になる終わり方を毎回する。私はシーズン10までを2週間でみた。本当に見だしたら止まらないし、ちゃんとこの作品を1から全て見て面白くないという人はいないのでは無いかと思うくらい面白い。ゾンビに何となく偏見を持っている人ほど見た方がいい。私も最初そうだった。今ではもっと早く見ておけばよかったと後悔している。ありきたりなストーリー性ではない。
葵