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オレンジデイズのsawakのレビュー・感想・評価

オレンジデイズ(2004年製作のドラマ)
3.5
「進学校でサッカーが弱いのはお前らくらいだ」で知られる口の悪い部活の恩師が、このドラマを観てモデルとなった私大への進学を決めたというのは有名すぎる話。どこでどう感動したのか、それともそんな皮肉屋でも心動かされる作品だったのかは謎のまま、彼は卒業生と結婚して高校を去った(めちゃ意外)。

中途失聴者のヒロインとのラブストーリーであり、「言葉」による情報量はどうしても少なくなりがちだが、北川悦吏子による「言葉には頼らない=言葉なんていらない」恋を描き切ろうとする覚悟が、ドイツからの〈手紙〉やくるり の名曲「ばらの花」を表現した〈絵〉、そしてオレンジの会を結びつける〈交換日記〉の使い方に強く表れている。
また紗江の直接的な心情説明が抑えられてきたからこそ、ラストのラウンジを出発点とする、穏やかながら確かに感情が刻み付けられたVOには泣かされてしまうのかもしれない。

とりあえず、ランクルのルーフに自転車を載せ、「上海ハニー」と「ばらの花」を流しながらコテージキャンプに行きたいだけなんだ。
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