まりぽっさ

恋のスケッチ~応答せよ1988~のまりぽっさのレビュー・感想・評価

恋のスケッチ~応答せよ1988~(2015年製作のドラマ)
4.2
「応答せよ」シリーズは、公開順に観ることを絶対的にオススメします!面白さが増すので★
シリーズのテーマは大きく二つ「ノスタルジー」と「旦那探し」。恋や友情、家族愛を通して、誰もが経験した「青春時代」の共感を描いた作品。
 
第三弾『応答せよ1988』はソウルの下町が舞台。同じ住宅街に住む5家族の物語を描いた。
主人公の両親役には前2作同様にソン・ドンイルとイ・イルファがキャスティングされているが、これも同一人物ではない。キャラクター設定は今回もほぼ同じと思われるが、父親の職業は前2作(野球関係)とは異なる。

今作は前2作と大幅に趣向を変えて、メインキャラクターたちだけではなく親たちにもスポットライトを当てている点が大きな違い。tvNの視聴層がドンピシャ世代ではないため、ドラマの主テーマである「共感」をどこまで得られるかが課題となり、家族愛を描く分量を大幅に増やして制作したためだそう。
とは言え、当時韓国で流行った歌『オジェパムイヤギ』(昨夜の出来事)が奇しくも10年後に日本で、しかも芸人によって広く知られることとなったため、個人的には期せずして妙に懐かしい気持ちになった。

さて、もう一つのテーマである旦那探し(とラブライン)について。
今作は「青春当時」と「現在(未来)」との年齢差が大きいこともあり、中年となった主人公たちが別の役者で登場する手法をとっている。つまり、旦那は未来で顔出ししている。
となると、主人公たちの台詞や独白が答えを導く重要なポイントなのだが、その比重のバランスが悪く、A君かもと思っていた人にも、B君かもと思っていた人にも消化不良を起こす描写になってしまい、とても残念でならない。
結局、主人公の恋愛観までも歪んで伝わってしまうし、結婚に至るまでの二人の歩んだラブリーな世界観は殆ど描かれることなく、影薄く終わった印象。
また、前2作に比べて大人数にスポットライトを当てた割には「現在(未来)」で言及すらされない人物も多く、それまでの過程さえ無意味に映り、この点も消化不良。

シリーズのファンとしては「笑えるし泣けるし面白いけど、勿体ない」が総評。
それと、謎の邦題が付き原題がサブになっている点も理解に苦しむので、この点★-0.3

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参考情報
●ストライク世代:1970年前後生まれ
●劇中で話題に上る有名人たちの本人出演あり
●シリーズリレーのカメオ出演あるが極僅
●テクのモデルはイ・チャンホ棋士。実際の状況を再現したシーンもあり
●パロディ『返答せよ1988』(全4話のCM)にてジョンファン家族のスピンオフが公開された(完成度高し!)
●前作レビュー
'97 http://filmarks.com/dramas/1383/2806/reviews/4306037
'94 http://filmarks.com/dramas/3574/5520/reviews/4345259
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