何気ない日常をユーモアたっぷりに描きながら、友情、恋愛、親子愛、仕事や生き方、人生をたくさん折り込んだ作品。
個性的な人が多く、笑ってしまうシーンも多い。
また、無神経でがさつに見える人も、実は細やかな気配りと優しさをもっていたりと、皆魅力的に描かれていた。
ケンカしながらも、辛いときは支え合い、嬉しいときは一緒に大喜びして、まるで大きな一つの家族のよう。
危機や変化を乗り越えながら、絆を深めてゆく人々。何年にも渡る変化を見ながら、自分もご近所さんの感覚で、一緒に笑ったり、応援したり、涙したりしていた。
大人が子供の成長を見守り、送り出す描写が多い。幼児育て中の私にはまだ実感がわかないが、いずれこんな日がくるのかと、じーんとしてしまった。
また、自分が若い頃とも重なり、親の愛を私は理解できていたかなと考えさせられた。
若い世代だけでなく、親世代にも焦点をあて、悩みや気持ちを丁寧に描写されていたのが、作品に深みを与えていたと思う。
青春は学生の頃だけではない。
家族や仲間と笑い合っている今この瞬間というのは、きっと過ぎ去ってしまうとあっという間で、あとから思うとキラキラ輝いて見えるのだろう。
自分のことじゃないのに、まるで自分の青春のように後から何度も思い返してしまうような、あたたかくてちょっと切なくなる作品だった。
