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オレンジ・イズ・ニュー・ブラック シーズン2のAKALIVEのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

「You Also Have a Pizza / バレンタイン・デー」(Episode6, Season2)まで観終わりました!

『Star Trek』、『Peanuts』と並んで、本当に素晴らしく時代の記念碑的な作品(←Netflix制作)におけるこのエピソードは、今のところ僕の感情的なピークだし、あまりにエモーショナルだった!

カメラが、1960年代後半から1970年代半ばにかけて「アメリカン・ニューシネマ」が成し遂げた功績をなぞっていく。見事だ。
特に『One Flew Over the Cuckoo's Nest』だ。よくよく考えると、『Orange Is the New Black』は数多くのR.P. McMurphyが懸命に生きる世界なのだ!(泣)

そして、このエピソードだ。
愛愛愛、溶け合う溶け合う溶け合う、
人間模様も、異なる言語も、肌の違いも、
愛の誓いも、因縁・憎しみも、利己心も、
あらゆるものが混ざり合う
最高のエピソードだ!!!

今話題のカルチャー本『2010s』(宇野維正/著 、田中宗一郎/著)の田中宗一郎が編集長を務めた雑誌『snoozer』の#028にこんな一文がある。時は9.11直後、世間ではこんな言葉が飛び交っていた、「我々の側につくか、テロリストの側につくか」、しかしその一文とは、
"この国際社会とやらに、「どちら側にも立たない、中立な場所」などというものが存在するかどうか、僕には正直わからない。だが、僕はそれがあると信じたい。だって、少なくとも、音楽がオファーするのは、そうしたすべての「立場」からの自由ではなかったか? 「音楽やアートは、すべての"外側"に存在するんだ」ーー僕はこのグリフの言葉を信じたい。そして、僕が信じるのは、音楽やアートを通して生まれた、個人と個人の繋がりだけだ"。

さあ、本作の話に戻りましょう。そろそろ終わりますので。
「壁」を乗り越えるために「自由の象徴」である音楽が多用されたことは、忘れられない。

本当かな? 確認して下さい。

そうだ、一つ、最高のシーンを紹介しよう。
ストレートのヒスパニック系の若い女性が、「若さ」を無駄にしていると話すシーン。もう1人が慰め、キスをする。2人は笑い、「もう一度」とふたたびキスをする。
また笑って、「ノー!」「ノー!」と言う。
そして今度は、キスではなく抱きしめ合う。

「壁を乗り越える」ことは「同化」や「変化」だけではない、「差異を認め合う」ことでもあるのだ、という。

心温まるエピソードでした、とだけ書くつもりが、長文になりました。xo.
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