Pam

オレンジ・イズ・ニュー・ブラック シーズン7のPamのレビュー・感想・評価

4.9
これにハマりだしてからもうほぼ1ヶ月で一気に完走。。超壮大なレズビアンドラマ。レズビアンですが So What ?なドラマ


すごかった。
ありがとう。もう好きすぎて見返しそう。やばい。

まずは、ひとつひとつのことはまた後で書くとして、配役と役者がこんなにはまりきってるドラマっていままであっただろうか?すごすぎる。こいつらこそ女子力っていうんだよ。居酒屋でサラダを取り分けるのが女子力なんかじゃねぇ。

普通女優は化粧をし、衣装を着て演技をする。それをすべてなくしたら。。の実験ドラマである。女優は化粧を落とし、衣装は全員同じ囚人服を着用し、その中での演技勝負だ。

演技力人間力をカメラに撮る。普段の逆なのだ。だからオフカメラの彼女たちのほうが一般的にいうきれいなのだ。でもオフカメラの彼女たちよりこの劇中の彼女たちのほうがずっと魅力がある。

そして2番めに
これはほんとうに社会派ドラマだ。でもエンタメもある。しかも、これ、プッセー死んじゃった時って、ジョージフロイドの前に撮ってるんだよね。すごいね。

ジェンジ監督すごいわ。とりあえず出演者にユダヤ系が多いのはびっくりしたけど、やっぱり人種の問題はユダヤでないと撮れないのか、パイパーがうざいのと同じく白人が撮るとうざくなる。

それにしても、

新教徒(プロテスタント) (パイパー)
カトリック (ローナ)
イスラム (エジプトの女性割礼ネタも入れて)
ユダヤ (食事や洗礼やロシアンドール)
モルモン (看守)
アーミッシュ (ラリってる白人)
ヨガジョーンズ
非暴力主義 (ソーソー)
初期のペンタスキー (狂信プロテスタント..Kingsman1の教会的な)

とか本当によく集めたよなぁ。アメリカすげえ。バラエティに富みすぎ。しかもユダヤに至っては改宗式のための会を特別作ってたり(かなり甘い部分はあるにせよ)、行事や、とりあえず監督から多くの役者がユダヤ名だったし、アーミッシュもあの18歳のお試し社会生活とか、モルモンには肌を見せさせなかったり、最後のサンドイッチもちゃんと豚を食べなかったり、いちいち生活を見せててよかった。エジプトの女性割礼はネタとは言え忘れず、女性であることはいくらマジョリティの白人でもセクハラにあってしまうということ(お料理家の婆さんはセクハラしてたけど)そういうのをきっちりよく描いたよなぁ。

そして囚人、入管の施設と隣合わせになるところでみんなが目をそらしている現実に目を向けさせるあの手法には参ったね。民営化の弊害も描く。


それにしてもみんなすごい。Riotで配役がガラッと変わったけど、13話でOhioでみんないることがわかって安心した。最後のブーやヨガジョーンズも元気そうで良かった。

またハイパーのお父さんがコンマリでスパークジョイしてるのも笑わせてくれた。

また地味な元フィアンセが「君が彼女を選ぶのはそういう特別な自分になりたいだけでしょ」Alex is your key to be special.. という冷めた言葉も良かった。


本当にこの配偶者でいいのか。この配偶者を持つ自分の特別感に酔いたいだけなんででょう?


すべてのセリフに無駄がない。配役と脚本の勝利。

私のお気に入りはやっぱり、クレイジーアイズ。彼女の役の飲み込み方もすごい。脚本家の腕もあるのだろうが、彼女の役への理解と編集のうまさというか。彼女が話す台詞はすべて真実であってメタフォー。最初の怖いストーカーから、だんだん物語を心の目で見る役に変わっていく脚本も良かった。Riotの顔を白く塗るシーンは鳥肌モノ。


あと、NYの地下鉄のシーンはロシアンドールのセットと同じだったね。

このドラマ見てから街に出て黒人女性たちの顔を見るようになったわ。テイスティはジュリアードのドラマ科出てるんだね。すごい。黒人のめっちゃ勝ち組やん。ロリーが80年代キアヌ・リーブスの相手役をしてたアイドルだったとか、ガチのレズビアンも多い。

最後まで場を明るくしていたフラッカやフィゲロアとジョーのエロ中年カップルもよかった。

アメリカはここまで作ってるんだよ。日本ショウビズも一本「新聞記者」作っただけで大騒ぎすんなっての。くだらない。体制寄り過ぎて泣けてくる。

一つだけ希望を言うとアジアの出番が少ないねぇ。それは監督にアジアへの興味が無いからかもしれない。でもね、アジア役のおばちゃん、、おもしろかったのは彼女実は携帯を持ち込んでずっとドラマや映画を見続けてたから実はとても映画好き。アーミッシュには「おまえ、刑事ジョンブックのあれか?」と言ってみたり、湖でみんなが大騒ぎしてたときにひとり、ロバの皮を被って寝てたとか(ドヌーブの映画のまんまじゃん)とか、奇行が映画好き。面白キャラ。


次回に期待するね。
Pam

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