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ブラック・ミラー シーズン2のRのネタバレレビュー・内容・結末

ブラック・ミラー シーズン2(2013年製作のドラマ)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

・ずっとそばにいて
 これまでの話で1番人間的な部分に刺さったというか、苦しくなった。このサービスのクオリティを前にして自分なら不気味の谷を感じるのだろうか。大切な人の声色で、その人の言葉を喋っているけれど合成のような整いすぎた顔、ガラスが密着する肌質、模倣する台詞に拒絶感を覚えると同時に、思い出がその違和感を補完する一瞬もあるのだろうと感じた。最後のシーンでは、本当に悲しくて気持ち悪い形でAIが人間に届いてしまったのだなと思った。

・時のクマ、ウォルドー
 テッド然りああいう存在に好感を持ってしまわない訳はなくて、かなりツボだった。怖いのが、バックに思想と政策を持つ人間がついた時に本当に成り立ってしまうかもしれない怖さと、そんな予感がして終わるんじゃなくてびっくりするほどしっかり模範的ディストピアと化して終わっててその典型ぶりに笑うところなんだけどリアリティで凍りついた。

・シロクマ
 始まりからネタバレみたいなマインドファック。こんなにギリギリまで訳わからない物語なかなか無い。ゲームしてるような感覚。この世界線、1か100しか感情ないんかってくらい差別される対象への扱いが酷い。
 
・ホワイトクリスマス
 尋問する男の話でこの世界線に存在するCookieとかブロックの存在を観ている側に知識として、そして伏線として自然に流し込む話の設計が秀逸すぎる。これは70分にもなる。正直娘は簡単に察するけど、自白する男に終わらず、Cookieを使用して自白させた尋問側の男の罪までCookieによって明らかにされる展開には言葉が出ないし金輪際他人が見えないとか、5億年ボタン?みたいなものがしれっと実用されてて怖すぎる。最悪な結末の後に音楽が鳴り続けてスノードームが延々とループする演出が鬼畜すぎて度肝を抜かれた。

このドラマシリーズ、狂ってるというか本当に妥協してない。違和感を残しつつ圧倒的に現実的なクオリティを突きつけられて、重すぎるボディーブロー食らってるはずが吸い込まれるようにサクサク観てしまう、、
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