少し明るい涼くん

ベター・コール・ソウル シーズン6の少し明るい涼くんのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

最終回観ましたよ。大胆なラストに満足。ブレイキングバッドの前日譚になってるパートで最初にキムが出てきた時から、ブレイキングバッドには出てこなかったって事はこの後どこに行ってしまうんだろう?死ぬのかな?どうして去ったの?ってずーっと行く末が気になりつつ観てたから期待以上だった。

ラストでキムが訪ねてきた面会室の窓から壁に斜めに光が差してて、シーズン1-1の前日譚パートでHMMの駐車場で1本のタバコを分け合って吸ってたのを想起させられて、ここまで来た道のりの長さを演出しててすごく効果的だった。1本のタバコを分け合う2人の親しさもジミーのキムと話すとき特有の明るい話し方も同じで良かった。そういう初回と最終回の対比ってやろうとしたら簡単なことだけど、簡単な演出だからこそ陳腐になりがちでここまで凝った作品でやるのはかなり勇気のある演出だったし、うまくさりげなくなっていて良かったと思う。
タイムマシンの小話もうまく効いてて、チャックとのイザコザを全部やり直せたらいいのにって直接示唆してるだけじゃなく、最後にキムとのあの駐車場に戻れたら…とも思わされる。

個人的にモノクロ映像ってあまり好きじゃなくてモノクロ映画1本も観た事ないんだけど、このモノクロ演出は主に時系列を分かりやすくする役割があるから抵抗無く最後まで観れた。

ラストシーンがモノクロ映像で、カラー映像のシーンをあの頃に戻れたらって懐かしく感じるのは全く新しい映像体験だった。

技術的には勿論モノクロが古いから客観的には昔っぽいはず。でも主観的な感覚としてはイキイキしてた時期や楽しかった頃の記憶は色褪せることがなく、多くを失い過ぎて絶望的な現在のほうが色褪せて感じる時もあるから、ジミーの主観にさせされる大きな仕掛けかもしれない。
単なる時系列を分かりやすくするためだけじゃなくて、そこまで観客の感覚を狙ってたとしたら凄すぎる。いや狙ってたか。凄すぎ。

書きたい事はまだまだいっぱいあるんだけどとんでもない長文になるので最終回についてだけにしておく(既に長いけど)

あと、ベターコールソウルの本筋には関係ないブレイキングバッドの主要人物がカメオ出演してる部分も単なるファンサで特に知ってる必要がないところも良かった。ブレイキングバッドを観ないでベターコールソウルだけ観ても面白いように締めくくられてるのが最高。ブレイキングバッドは流行り廃りも好き嫌いもある作品だから、それをまず観ないといけないって縛りがあるのとないのじゃ大違い。もちろん観てたほうが面白いけど、後からあっちを観る事もできるし。
なんで逃げ隠れしてるのか、なんで最後に収監されるかはブレイキングバッド観てないとわからないけど、「ブレイキングバッドでやらかして指名手配されてた」の一言で充分筋は通るレベル。
最終回まで観てやっとそれを断言できるから安心して人に薦められる。