このレビューはネタバレを含みます
安易に防犯カメラや鑑識に頼らないトリックを、毎話50分以内に完結させる執念。動機のほとんどが①痴情のもつれ②キャリア妨害の排除だけど、現実社会でも大して違わないのかもしれない。
今泉くんとのコンビ時代が好きだったので、シーズン1と2は特に思い入れが強い。
1話 中森明菜/少女漫画家 ★★★
薄幸な女性たち、そして気位の高いオジたちにとっての死神でもあり救世主でもある古畑登場回。中森明菜は悲劇のヒロインにぴったり。犬のまんごろうは、津川雅彦の回でも登場🐕
2話 堺正章/歌舞伎役者 ★★★★
懐中電灯のくだりは三谷幸喜全開で笑える。死体のそばからしばらく離れなかった理由がサイコ。
3話 古手川祐子/精神科医 ★
顔面ストッキング古畑が見られる貴重な回。死体の扱われ方が目も当てられない。これで謎解き終わり!?というところで幕を閉じる。
4話 笑福亭鶴瓶/推理作家 ★★
ニコニコ鶴瓶は狂気じみてるようで、結構ザコい。運が味方していないタイプ。警察が家宅捜査したら終わり。
5話 坂東八十助/棋士 ★★
この時代に藤井聡太みたいなキャラクターが出てきてびっくり。トリックはちょっと無理がある。今泉くんは意外と多趣味。
6話 木の実ナナ/ピアノ奏者 ★★★★
トリックも、犯人のラストの気高さも含めて結構好きな回。この1話のためにあの曲を探し当てたのならすごい。
7話 小林稔侍/時代劇役者 ★★
とてつもなく微妙なトリックをハートフルな雰囲気で誤魔化してる感は否めない。けど、真剣白刃止め→竹のシーンは好き。あと、血の量にびっくりする。
8話 鹿賀丈史/医者 ★★★★
"電車"という密室での倒叙。鹿賀丈史があんなおとぼけ役をやってるイメージがなかったので新鮮。犯人だと疑われてキレ散らかした後に古畑に詰められるトホホ具合が情けない。
9話 石黒賢/超能力者 ★★★
犯人ゲストの中ではかなり体を張った演技。過去の栄光に縋りたい犯人の虚栄心が生む、ラストの滑稽さが切ない。
10話 小堺一機/議員秘書 ★★★
今泉くん体調不良&活躍回。被害者が(一応)2人いるのと、殺したと思った相手が生きていたという肝が冷える展開なのは稀有。
11話 桃井かおり/ラジオDJ ★★★★★
桃井かおりに深い思い入れがあるように見えるくらい、田村正和が楽しそうに演じている。本人お気に入り回なのも納得。古畑の歌声も聴ける。
12話 菅原文太/警視庁警視(古畑の上司) ★★★★
"我々の仕事はただ事実を導き出すだけ"と言い切り、拳銃を持たない古畑の非暴力性の美学が最も顕示された回。「君に拳銃は必要ない」と言われて敬礼するシーン好き。