久しぶりに続きが気になって夜更かししてしまうドラマに出会いました。
王室という狭い(住居としてはかなり広いけれども)宮殿の囲いの中で起きていく様々な人間ドラマが、ものすごく丁寧に描かれています。また、当時の歴代首相や彼らと王女の関係、当時のイギリスが抱えた政治的な問題など、とても勉強になります。
無駄がないのに、丁寧。
一本の映画を見ているような重厚感が一話一話、見終わった後に充足感を与えてくれます。
若きエリザベス女王を演じたクレア・フォイの瞳で魅せるお芝居が素晴らしかったです。
王女として毅然とした態度を見せながらも、旦那であるフィリップとの間に生じ始める不協和音に隠しきれない妻として、女としての心の葛藤が瞳の奥に揺らめいているような、素晴らしく繊細なお芝居。
そして、実在の人物を描いた作品としてこのドラマが凄いのは、顔立ちが似てるとかではない俳優さんも、演じているうちにご本人に見えてしまうことです。
単純に背丈や顔立ちの似てる役者で真似ごとをするのではなく、お芝居で魅せる佇まいが本人に見せてしまう。これは実話ベースの作品として最大の醍醐味ではないでしょうか。
シーズン2も楽しみです。