Cineman

トゥルーブラッド<セカンド・シーズン>のCinemanのレビュー・感想・評価

3.6
なんか、白人のヴァンパイアたちは基本的に顔を青白く塗られているけど、ビルだけ頭抜けて顔色悪くない..?
フランケンシュタインみたいに見える時がある..

7話でゴドリックが言っていたように、ヴァンパイアが自分たちを社会の脅威と自覚する姿が出てくるこのシーズン。

シーズン1では、ボン・タンの街の中で、人間とヴァンパイアの恋愛を中心に回っていて、それもどちらかというと人間界の事情が中心だった。また、ヴァンパイアに関しても、人間に差別されているマイノリティーという解像度だったと思う。

シーズン2では、ヴァンパイア界隈の登場人物がぐっと増えたこともあって、人間とヴァンパイア個人の関係だけでなく、社会的にどう共存するのか、何が対等な関係なのか...というより社会的な構成に話が広がっていった。
こういう硬派なテーマを娯楽の中で、楽々展開させてゆく手腕はさすがHBO、そしてアメリカ。そもそも、様々なバックグラウンドの人たちが、日々の生活で隣で暮らし合っていることが感じられる。

これ以降のシーズンが楽しみになる導入。

***
ビルの空白の時間についても描かれたけど、思ったより数百年で性格が変わっていたコンプトン氏。
人間性の浮き沈みがあるのがかえってに人間らしいというか...
ロレーナとの過去の禁酒時代の出来事の回想はビルのキャラクターに深むと意外性を与えて印象的だった。

そこでのHard-hearted Hannahのパフォーマンスがまた良かった。ビル役のスティーヴン・モイヤーは、ミュージカル(シカゴ、サウンド・オブ・ミュージックとか)俳優でもあるので、安定の歌唱。
この曲はペギー・リーとか基本的に女性歌手が歌うことが多い。でも、普段の話し声の割に、高音が出せるモイヤー氏によるこの男性版は思いがけず素晴らしかった。しかも、歌詞の内容がこれまた、これ以上ないほどにシーンにピッタリという…恐るべし、このシリーズの音楽センス。
それだけに、この歌のフル尺版がOSTでも見つけられないのが惜しまれる。
**
ヴァンパイア社会の「人間」関係として、そうしたロレーナ/ビルも含め、やっぱりメーカーと、作られし「子孫」の関係がこのドラマの面白さ。ロレーナもまた出てきそうな雰囲気なので楽しみ...。

スーキーは基本的に、ハーレクイン・ロマンス顔負けのモテモテぶり。各シーズンのポスターから見るに、シーズンが進むごとに、ハーレクイン感が増しそう..

ところで、サムがシーズン1から、ずっと不憫すぎる...
Cineman

Cineman