岡田拓朗

大恋愛~僕を忘れる君との岡田拓朗のレビュー・感想・評価

大恋愛~僕を忘れる君と(2018年製作のドラマ)
4.1
大恋愛〜僕を忘れる君と

これは、神様がくれた最後の恋ー

まさに大恋愛。
こんなにも誰かのことを想えて、それが自分の人生や喜怒哀楽に大きな影響を与えて、結果その人のためになることが一番の幸せになる恋愛。
それこそが大恋愛で、こんなに愛おしくて美しくて綺麗なんだなと。

真司(ムロツヨシ)が尚(戸田恵梨香)のことが好きなのは言うまでもないけど、それ以外の周りの人たちも本当にみんな尚ちゃんのことが好きで、それぞれに思っていて物語が進むにつれて伝わってくる。
それにも涙が止まらなかった。

また、途中から出てきたサイコパスだと思っていた松尾(小池徹平)が、本当は人間らしかったんだというのが、尚との比較でラストにわかったのもよかった。
だからこそ松尾を描く意味があったのかと。
孤独であることと愛し愛される家族がいることの違いとアルツハイマーという病気が迫り来る恐怖。
あの行動の裏にはそれがあったんじゃないかなと。

その果てに起こしてしまったことを松尾は本当に後悔していたのだろう。
だからそれを忘れるまでの彼は決して幸せになれなかったんだろう。
でもそれを忘れていったとき、彼が本当に幸せそうに見えて、さらにそれを呟いていた真司がすごく印象的だった。
松尾にも救いの手が差し伸べられるとは思っていなかったからよかった。
(途中ほんまにやめてと思っていましたが…笑)

あとは誰もが踏み込めない2人にしかわかり得ない愛は、そのお互いの本気さが伝わることで受け入れられるということ。
真司と尚は薫さん(草刈民代)に、井原先生(松岡昌宏)と薫さんは母親に。
確かに変わり行く心に触れられてよかった。
尚ちゃんが行方不明になったとき、真司を責めなくなっていた薫さんも、真司に感謝してて、真司の気持ちが痛いほどわかるからなんだろうと初めと変わっていたのが印象的だった。
(中学聖日記の2人も最後受け入れられたらいいのに…!!)

引越し屋が実は元小説家だった設定とその元小説家がまさかのファンの人の引っ越しのタイミングで出会うという素晴らしい演出で、尚が病気のことで真司に支えられ続ける構図でなく、尚もちゃんと真司を支えていて、確かに生きる希望を与えた構図になっていたのが、その時点ですごくよかった。

途中尚が思うように役に立てていることを感じられずに存在意義がなくなってしまったのではと思い悩んでいたシーンがあった。

恋愛において対等であろうとすると、頼られないといけないとかこう扱われないといけないとか、知らずのうちに利己を押しつけることになり、いつのまにか対決に発展することがあるから注意が必要だなと。
あくまで自分が相手にすることは自分がしたくてするという意識と逆であれば自分のためにしてくれたと信じるしかない。

色んな悲劇や葛藤がありつつも、総じて2人のやりとりや周りの人の温かさも含めて、微笑ましく愛おしいずっと観ていたいドラマだった。
それに最後のあの奇跡ときたら…泣かずにはいられないラスト。

非常に素敵なドラマだったと思います!
最近本当に涙腺緩すぎてやばい。
岡田拓朗

岡田拓朗