ながやまこういち

愛していると言ってくれのながやまこういちのレビュー・感想・評価

愛していると言ってくれ(1995年製作のドラマ)
-
耳が聞こえない彼を見て感じたことがある。
人の心は複雑で可変的であり、不確かなものだ。
自分自身の心ですら完全に理解することは難しくて悩み続ける。
だとしたらそれを誰かに理解してもらうのはもっと難しいことなのかもしれない。
その上で、言葉というのは人間同士の優れた共有手段と言えるだろう。
けどこうも考えられる。
心を言葉にすること。それは、不確かなものを無理矢理に確かなものにしてしまう。すなわち意味を限定したり変えてしまう側面もあるということ。

だからこそ彼は言葉だけじゃなく、あなたの表情、景色、匂い、輝き、汚れなど、言葉以外のすべてからあなたを知ろうとしたのだと思う。

ながやまこういちさんの鑑賞したドラマ